研究課題/領域番号 |
21K19198
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
藤原 祥高 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (70578848)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 診断マーカー / 雄性不妊 / 哺乳類精子 / 小分子化合物 / 精子診断マーカー / 受精障害 / 子宮-卵管移行 / CRISPR-Cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、研究代表者が最近発見した精子膜タンパク質に着目して、これまで診断項目として存在しなかった「見かけ正常な受精不全精子」の発見・改善・制御という三段活用を目指して取り組む。
特に、子宮内精子の卵管への移行不全現象は、自然交配では決して見つけることができない不妊原因である。それらの原因タンパク質に対する精子診断マーカーの開発は、ヒトや家畜の不妊検査の原因究明に大いに役立つと予想される。そして、子宮内精子の卵管への移行不全を酵素添加によって正常精子へ近づけることができれば、自然妊娠や家畜での人工授精の受精率向上へと繋げる萌芽研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、研究代表者がこれまで発見した「見かけ正常な受精不全精子」に着目して、ヒトや家畜等で異常精子を検出できる抗体作製と新規候補因子の同定をゲノム編集マウスの開発を通して実施した。その結果、良質な抗体を得ることはできなかったが、精子膜タンパク質SPACA4と精巣上体タンパク質LCNs、LY6G5B/Cが精子受精能力に必要で診断マーカー候補となる事を見つけた。さらに、マウス解析からPDCL2タンパク質が精子形成に必須であることを発見し、このヒトタンパク質に特異的に結合する2種類の小分子化合物の同定に成功した。現在、これらを用いて可逆的な受精能阻害効果の検討を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、研究代表者が一貫して進めてきた男性不妊の新たな表現型「見かけ正常な受精不全精子」を示す原因遺伝子の探索と検出方法の開発に貢献する。原因遺伝子の発見は、哺乳類精子の受精能力制御メカニズムの解明に繋がり、検出法はヒトや家畜等の精子性状検査の主項目である精子量、形態、運動性に続く第四の検査項目としての可能性を再検証できた。また、精子タンパク質を対象に小分子化合物による受精機能阻害はホルモン療法に頼らない可逆的な男性避妊薬の開発に向けて研究を推進できた。
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