研究課題/領域番号 |
21K19206
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三浦 正幸 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (50202338)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 翻訳 / コロナウイルス / フレームシフト / eEF2 / ジフタミド修飾 / ショウジョウバエ / フレームシスト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ジフタミド化eEF2の-1 frameshift翻訳機構への関わりをショウジョウバエで明らかにし、さらにジフタミド化eEF2を介した-1 frameshiftが多細胞動物において機能する生理的な役割を明らかにする。本研究の知見はセントラルドグマにおいてこれまで見過ごされてきた翻訳時のタンパク質多様性産生のメカニズムと生理機能を浮き彫りにするものである。また-1 frameshiftがコロナウイルス増殖の最初のステップに関わることから、本研究の成果はコロナウイルス増殖の宿主組織選択性、環境変化や細胞間相互作用による増殖への影響に関する理解を進めるものである。
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研究成果の概要 |
ジフタミド化は全ての真核細胞翻訳伸長因子eEF2にのみになされる特殊な化学修飾である。酵母のジフタミド酵素変異体では翻訳の忠実度が下がり、-1フレームシフト翻訳の頻度が上昇するが、多細胞生物での調節機構や生理的な意味に関しては不明な点が多い。生体内の-1フレームシフトを検出するための手法として、SARS-Cov-2から取られた-1フレームシフトを起こす配列 Frame Shift Element (FSE)を2つの異なる蛍光タンパク質でで挟んだレポーターを作出した。このレポーターを用いてショウジョウバエ組織における-1フレームシフトの組織や性差による違いが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
翻訳の多様性を示す現象に、一つのmRNAからポリプロテインを産生する現象がある。様々なウイルスはフレームシフトによって読み枠を変えることで産生するタンパク質の種類を増やすことが知られているが、コロナウイルスゲノムRNAはその塩基配列に-1 フレームシフトを可能にする情報が含まれている。-1フレームシフト翻訳に関わるeEF2ジフタミド化の多細胞生物における生理機能とその調節が明らかになることで、翻訳による遺伝子多様性発現や、翻訳の正確性を決める新たな仕組みが明らかになることが期待される。
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