研究課題/領域番号 |
21K19214
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
山崎 昌一 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (70200665)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 抗菌ペプチド / 単一細胞解析 / 抗菌活性 / 殺菌活性 / 抗菌剤 / 細胞膜損傷 / ポア形成 / 単一細菌解析 / 生体膜の生物物理学 / 細胞膜の損傷 / 細胞死 / 単一細菌法 |
研究開始時の研究の概要 |
生物が産生するペプチドで細菌などの微生物を殺す活性を持つ抗菌ペプチドの抗菌活性を測定するためには、最小発育阻止濃度(MIC)の測定やタイム-キル・アッセイなどが使用されている。いずれも細菌の集団を用いての長時間の測定であり、1個1個の細菌の成長や死についてはわからない。これらは細菌ごとに違いがあることが予想される。また、抗菌ペプチドによる細胞膜の損傷と細胞の死の相関を示す直接的な実験結果は得られていない。本研究ではこれらの問題を解明するために、単一細菌レベルでの抗菌活性測定法を新しく開発し、抗菌ペプチドの抗菌メカニズムの解明をおこなう。
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研究成果の概要 |
単一細菌レベルでの抗菌ペプチド(AMP)や抗菌剤の抗菌活性および殺菌活性の測定法(単一細胞解析法)を開発し、AMPの殺菌活性のメカニズムの解明に応用した。この方法では、1個の細胞が増殖して形成するマイクロコロニー中の細胞数の時間変化を測定する。方法Aでは、種々の濃度のAMP存在下で単一細胞を増殖させ、1個の細胞しかないマイクロコロニーの割合Psingle のAMP濃度依存性を求め、MICを決定する。方法Bでは、AMPと細菌を一定時間相互作用させたのちに、AMPを除いて単一細胞の増殖を観測する。死んだ細胞の割合を意味するPsingleを測定して、1個の細胞の死に必要な相互作用の時間を求める。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の抗菌活性や殺菌活性は、たくさんの細菌細胞の懸濁液を用いる方法(最小発育阻止濃度 (MIC) や最小致死濃度 (MBC) の測定、タイム-キル・アッセイなど)により、たくさんの細胞の応答の平均値の測定から評価されてきた。最近は、1個の細菌細胞とAMPの相互作用の研究もおこなわれるようになり、単一細胞レベルでの抗菌活性や殺菌活性の測定法が必要になってきた。本研究で開発された単一細胞解析法は、単一細胞レベルでのAMPや抗菌剤の抗菌活性および殺菌活性の解析が可能であるので、1個の細胞とAMPの相互作用の研究と組み合わせることにより、AMPの殺菌活性のメカニズムの解明など今後の発展に期待できる
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