研究課題/領域番号 |
21K19223
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山元 淳平 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (90571084)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | DNA修復 / DNA損傷 / 人工酵素 / 機能改変 / 光回復酵素 / FRET |
研究開始時の研究の概要 |
光回復酵素と呼ばれるDNA修復酵素は、がんや変異の原因となる紫外線損傷DNAを光依存的に修復することができます。しかし、この酵素によるDNA修復活性には生体透過性の低い青色光が必要であり、生体組織への応用は困難でした。本研究課題では、光回復酵素を人工的に改変することで、生体透過性の高い近赤外線によるDNA修復反応を引き起こすことができる人工DNA修復酵素を作成し、生体表面のみならず生体組織の深部数ミリメートルに至る領域までDNA修復が可能な革新的光遺伝子治療法の開発に挑戦します。
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研究成果の概要 |
本研究では、紫外線によって化学構造が変化した損傷DNAを青色光依存的に元の塩基構造へと戻す光回復酵素と呼ばれるDNA修復酵素の機能拡張を目指し、青色蛍光タンパク質を部分構造に持つ人工DNA修復酵素の開発を行なった。 その結果、従来の野生型酵素と比較して最大で2.5倍のDNA修復活性を持つ人工酵素の開発に成功した。一方で、当初予想した青色蛍光タンパク質からのエネルギー移動を介した高効率化とは異なる機構で反応が進行することを見出した。今後、その高機能化の分子機構を明らかにする必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNA修復に関与するタンパク質群の遺伝的な欠失は様々な遺伝子疾患の原因となる。したがって、DNA修復活性を向上させた人工酵素は、これら遺伝子疾患の遺伝子治療法となる可能性を秘めているため、基礎科学の発展のみならず医学や工学への応用研究の礎となる。 今回、当初目的としていた機構に従う人工酵素は得られなかった一方で、酵素の部分構造を改変することで酵素機能が向上することを見出している。今後その構造を明らかにすることで酵素構造と活性の相関を取ることができ、酵素活性を自在にデザインする第一歩となることが期待される。
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