研究課題/領域番号 |
21K19242
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
阿部 訓也 国立研究開発法人理化学研究所, バイオリソース研究センター, チームリーダー (40240915)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | ヒトiPS細胞 / ヒト初期発生 / 細胞分化 / 分化特性 / バイオリソース / シングルセル解析 / 画像解析 / AI / 分化能 / 多能性 / マイクロパターン培養 / 疾患由来iPS細胞 / iPS細胞 / マイクロ基盤培養 / 分化能検定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①ヒト初期発生過程を理解するため、マイクロパターン培養系を用いた再現性・同調性の高いiPS細胞分化の解析プラットフォームを確立し、ヒト三胚葉形成過程の詳細を記述する②発生過程の個体間偏差を画像解析・機械学習を用いて調査し、これを基に発生過程の標準ベースラインを規定する③疾患由来データを標準と比較し、単なる偏差を超えた疾患に由来する表現型を検索し、疾患研究への展開を図る。本研究は、以上の新世代ヒト生物学確立を目指す「芽生え」の研究であり、これが達成されれば、ライフサイエンスの様々な分野へ波及し、ヒト関連研究を革新する可能性が高い。
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研究成果の概要 |
本研究では、(1)ヒト初期発生の重要な局面である三胚葉形成過程を理解するため、ヒトiPS細胞のマイクロパターン培養系を用いた再現性・同調性の高い細胞分化解析プラットフォームを確立し、健常人由来の複数のiPS細胞株について、時系列に沿った細胞分化プロセスおよび、遺伝子発現の変動を明らかにした。(2)上記の技術を応用し、多数のiPS細胞株それぞれの分化能を画像データを基にして簡便・迅速に検定する手法を確立し、健常人由来の細胞株間においても分化パターンに差異があること、またそれらは数種のパターンに分類出来ることを示した。(3)シングルセル解析を効率良く実施するためのサンプル多重化技術を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、多数のiPS細胞株の分化能を高速、高効率に評価することが可能な標準化技術を確立した。マイクロパターン培養を用いたこの評価系では、3胚葉形成の進行が非常に再現性高く、同調的に進行することを見出し、この特性により各細胞株の分化特性の違いを定量的に評価することが可能となった。これまで、分化能特性は定性的な評価しか出来なかったが、今回、定量的データを取得することが可能になったことは高い学術的意義を持つ。また、本手法により、既に整備されている膨大なiPS資源の有効な利活用が可能になり、ヒトに係わる生物医学研究を大変革する可能性が高く、挑戦的研究として高い社会的意義を持つものと思われる。
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