研究課題/領域番号 |
21K19247
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
藤田 知道 北海道大学, 理学研究院, 教授 (50322631)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 原形質連絡 / ヒメツリガネゴケ |
研究開始時の研究の概要 |
植物の細胞間コミュニケーションに必須の構造として原形質連絡(PD)が知られている。PDは細胞壁を貫く小さな穴であり、ホルモンやタンパク質など様々な情報分子が移動しており、この分子移動は動的に制御されていることがわかってきた。中でも細胞壁多糖の1種、カロースの合成と分解の制御が重要であることがわかってきた。しかし、カロース以外にも重要なPD制御系があると考えられているものの、その分子機構はよくわかっていない。本研究はコケ植物(ヒメツリガネゴケ)の原糸体に注目し、ストレスによるPD透過度の低下を制御するカロース非依存的な制御機構を世界に先駆け明らかにすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
私たちはヒメツリガネゴケにおいてカロース多糖に依存しない新しいPD制御系の分子機構を明らかにするため、(a)2000種類の化合物スクリーニングを実施した。また、(b)SnRK2の基質リスト、PDに局在するタンパク質リストを探索し、SnRK2の基質でかつPD制御に関わると考えられるタンパク質候補をリスト化した。以上の結果から、複数の候補タンパク質を同定し、解析を進めた結果、アクチン制御タンパク質の1つ、Dが原形質連絡の制御に関わることを見出した。現在タンパク質Dの機能解析を継続しており、Dによる新規のPD制御系の全貌解明に迫りたい。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PDは細胞壁を貫く小さな穴であり、様々な情報分子が移動している。近年、細胞壁多糖の1種、カロースの合成と分解の制御がこうした情報分子の細胞間移動に重要であることがわかってきた。この一方で、カロース以外にも重要なPD制御系があると考えられてはいるものの、その分子機構は未だによくわかっていない。本研究によりこの未知の制御系に関与する候補タンパク質を同定てきた可能性は高く、この学術的意義は大きい。今後さらに解析を進めることで、カロース非依存的なPD制御系の分子機構の解明が期待できる。
|