研究課題/領域番号 |
21K19252
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊島 陽子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 名誉教授 (40158043)
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研究分担者 |
矢島 潤一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00453499)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 繊毛虫 / テトラヒメナ / 繊毛運動 / 外腕ダイニン / 3次元位置検出光学顕微システム / 3次元位置計測 / 3次元位置計測 |
研究開始時の研究の概要 |
繊毛虫の行動は、個体全体を覆う繊毛が、状況に応じて適切なタイミングで適切な向きに波打ち運動をすることで、効率よく遊泳したり方向転換したり、時には止まり個体の行動を統御している。繊毛の構成要素であるモータータンパク質や細胞骨格が制御され、600本程度ある繊毛が全体として、あるいは部分的に調和のとれた波打ち運動を行い、個体の3次元的な行動に繋がる。繊毛の運動から個体の遊泳までを含めた行動原理の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
繊毛虫テトラヒメナ個体の遊泳を3次元空間で定量し、テトラヒメナが自由に螺旋遊泳する過程を詳細にとらえることができ、個体の長軸周りに右回転に自転しつつ、右巻き螺旋遊泳することを明らかにした。さらに、個体内へのカルシウムイオンの流入によって、遊泳方向や螺旋方向が制御されていることがわかった。また、テトラヒメナから単離した軸糸構成モータータンパク質・外腕ダイニンがin vitro再構成系で微小管を運動させる際、微小管が進行方向に対し左に旋回する運動特性を有することを新たに見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
繊毛虫であるテトラヒメナの遊泳は、ダイニン分子によって駆動される繊毛の屈曲波運動によって実現されるが、詳細な分子機構は明らかではなかった。特に個体の螺旋遊泳に関しては、長年の間、錯視により螺旋方向を特定できていなかった。本研究により、3次元空間での個体の遊泳が直接定量できたこと、カルシウムイオンの個体内への流入によって螺旋方向が制御されうること、さらに軸糸構成タンパク質外腕ダイニンの新たな運動特性を見出したことは学術的な意義がある。
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