研究課題/領域番号 |
21K19259
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
原 雄二 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (60362456)
|
研究分担者 |
永森 收志 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90467572)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
|
キーワード | リン脂質 / フリップ・フロップスイッチ / イオンチャネル制御 / フリップ・フロップ / 膜タンパク質制御 / リン脂質フリップ・フロップ / リン脂質輸送体 / イオンチャネル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、フリップ・フロップ スイッチ機構(脂質二重層の内・外層間でのリン脂質のトンボ返り運動が、イオンチャネルをはじめとした膜タンパク質の機能を制御する)に着目し、その概念の発展・深化を目的とする。 1)近接因子ラベル化法による、リン脂質輸送体群により活性制御される膜タンパク質群の同定 2)CRISPR/Cas9ライブラリーを用いた、リン脂質フリップ・フロップスイッチを制御する因子群の網羅的同定 3)遺伝子欠損マウスを用いた、リン脂質フリップ・フロップスイッチの意義解明
|
研究成果の概要 |
生体膜を構成するリン脂質分子は、哺乳動物細胞において膜の内・外層間で非対称に分布する。この脂質非対称分布はリン脂質輸送体群により決定され、細胞の生死、遊走を始め様々な細胞現象に関与すると考えられている。本研究では、リン脂質動態「フリップ・フロップスイッチ」が膜タンパク質の機能に影響を与えるという作業仮説の普遍性解明を目指した。特にイオンチャネル群との連関に着目した結果、機械受容イオンチャネルPIEZO1とともに冷温感受性TRPイオンチャネルを候補分子として同定した(論文投稿準備中)。さらにプロテオーム解析、遺伝子改変マウスの作出等を通じて、本研究推進を図った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで非常に多くの研究者が脂質と膜タンパク質の相互作用について従事してきた。しかし脂質は水に溶けない物性、またゲノムに直接コードされない理由から、科学技術が進歩した現在でも解析し難い対象であり、脂質環境の微細なゆらぎと膜タンパク質の機能連関の解明は未だ困難である。本研究の中心課題「リン脂質フリップ・フロップ スイッチにより制御される膜タンパク質群の網羅的同定」を通じ、膜脂質とタンパク質の織りなす多様な相互作用を理解し、生体膜に機能的な多様性を賦与する分子機構の解明につながる。さらに膜タンパク質が関わる細胞応答、個体レベルの恒常性維持機構、病態発症機構等の理解深化が期待される。
|