研究課題/領域番号 |
21K19273
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
澤 進一郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (00315748)
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研究分担者 |
石川 勇人 千葉大学, 大学院薬学研究院, 教授 (80453827)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 植物感染性線虫 / 誘引物質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、BY2培養液から線虫誘引物質の精製を進め、誘引物質の同定を目指す。さらに、土壌線虫であるC.elegansのゲノム情報を基に線虫誘引物質の受容体の候補を抽出する。様々な植物種の誘引物質と様々な線虫類の受容体情報をもとに、どのような線虫類が、どのような代謝物をもつ宿主を新たに認識できるようになるかを予想し、多細胞動物―多細胞植物相互作用と、それに伴う進化・多様性について議論する。
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研究実績の概要 |
新生代に入ると、植物の世界では裸子植物やシダ植物が衰退し、花をつくる被子植物が爆発的に多様化し繁栄するようになった。昆虫類・哺乳類・鳥類などが、被子植物の蜜や果実を利用することで、受粉や種子散布などを多様化させ、お互い相互作用をしながら独自の進化をとげ、現代のような多様な植物(及びそれに伴う動物)が進化したと考えられる。一方、これまでに、ミツバチと花など、多細胞動物―多細胞植物相互作用について、様々な現象が明らかとなっているが、分子レベルでの研究はほとんどない。 本研究では、植物感染性線虫と植物をモデル実験系として利用し、多細胞動物―多細胞植物相互作用と、それに伴う進化を分子レベルで紐解くことを目的としている。 我々は、これまでに、サツマイモネコブセンチュウの植物誘引物質を複数単離してきており、受容体候補も得ている。本申請研究では、多くの線虫類のゲノム情報を用いて、誘引物質ー受容体の組合せに関する情報量を増やし、そのバリエーションについて網羅的に理解する。そのために、本研究では、BY2培養液から線虫誘引物質の精製を進め、誘引物質の同定を目指した。これまでに、有機溶媒を用いた液液分配を行った。誘引活性を指標に精製をすすめ、その後、ゲル濾過による分子量での分画、極性を用いたカラムによる分画を行い、精製を進め、グルコマンナン多糖など、誘引物質の候補を単離できた。実際,市販のグルコマンナンにも誘引活性が有ったことから、今回、あらたな誘引物質として植物由来のグルコマンナンを単離することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
BY2の培養液の精製がすすんでいる。BY-2を酢酸エチル・エーテルを用いた液液分配を行い、水相を得た。また、その水相をメタノール精製し、超親水性画分をえた。ここから60%アセトニトリル画分と素通り画分に分け、素通り画分にグルコマンナンが、誘引物質として含まれることがわかった。実際,市販のグルコマンナンにも誘引活性が有ったことから、今回、あらたな誘引物質として植物由来のグルコマンナンを単離することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
BY2培養液を用いた精製で、60%アセトニトリル画分には、別の多糖が含まれると考えられる。今後、この精製を進め、あらたなサツマイモネコブセンチュウの誘引物質の単離を目指す。
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