研究課題/領域番号 |
21K19274
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
木村 幸太郎 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (20370116)
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研究分担者 |
中川 敦子 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (90188889)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 感情 / 遺伝学的解析 / イメージング / カルシウムイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
神経科学において近年注目されつつある高次脳機能は「感情」である。研究代表者木村は、線虫C. エレガンスにおいて「感情」を反映すると考えられる刺激応答行動を見出した。本研究では、この刺激応答行動を順遺伝学的手法で解析することにより、「感情」に関わる遺伝子を網羅的に同定する。さらに先端的な全脳神経活動イメージングによって、C. エレガンスの全脳神経活動が「感情」によってどのように変化するかを明らかにする。本研究の成果が発展することで、モデル動物はもちろんヒトの「感情」に関する研究の飛躍的発展のきっかけとなることが期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、「感情」の原理を明らかにするために、モデル生物C. エレガンスの電気刺激に対する応答行動を研究対象とした。手法としては、遺伝学的手法により電気刺激応答に関与する遺伝子を同定し、また高速三次元イメージングにより全脳神経活動の変化を観察した。結果として、電気刺激応答にL型膜電位依存性Ca++チャネルや神経ペプチドの前駆タンパク質転換酵素が関与することを明らかにした。さらに、全脳神経活動の計測から持続的応答行動に関与するであろう神経活動が観察された。これらの結果は、「感情」を生みだす基本的メカニズムの新たな理解へとつながると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物の「感情」の研究は、チャールズ・ダーウィン卿による著書まで遡ることができる (Darwin 1872)。しかし、「感情」は複雑であるが故に厳密な定義が困難であり、モデル動物を用いた解析は齧歯類の「すくみ」などに限定されていた。本研究で、線虫C. エレガンスの「感情」に関わる遺伝子や神経活動の手掛かりを得ることができたので、これらの研究を進めることによって、モデル動物はもちろんヒトの「感情」に関する研究の飛躍的発展のきっかけとなることが期待できる。
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