研究課題/領域番号 |
21K19281
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
平田 たつみ 国立遺伝学研究所, 遺伝形質研究系, 教授 (80260587)
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研究分担者 |
遠里 由佳子 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (80346171)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 誕生日タグづけ / 大規模データ / 情報処理 / 因果推論 / 脳機能 / マウス / 神経 / 行動表現型 |
研究開始時の研究の概要 |
代表者らは、自らが開発したマウス神経細胞の分類操作技術「誕生日タグづけ法」を用いて、分類できる神経細胞群の包括的な顕微鏡画像データベースを作り公開している(NeuroDT)。さらに、同じ条件でタグづけされた神経細胞群の神経活動を人為的に操作した際に、マウス個体に現れる身体症状の表現型データセットを現在集めている。この2つのデータをつきあわせれば、神経系全体に散在する神経細胞群の活動と、そのアウトプットとしての身体機能との関係を抽出できるはずである。本提案では、このユニークな生物学的データセットから、統計分析手法を駆使した因果推論により何が導き出せるか、という問いに挑戦する。
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研究成果の概要 |
代表者が開発した「誕生日タグづけ法」を用いて取得したデータを情報科学的に解析した。この手法により分類できるマウス神経細胞群の顕微鏡画像データベースNeuroGTを公開している。このデータから3次元脳を構築する方法を考案した。また代表者が作成した教師データを用いて分担者が深層学習を行い、脳の8大領域を特定する画像認識システムを開発した。さらに、NeuroGTに登録された神経細胞群の神経活動を人為的に操作した際に、マウス個体に現れる行動表現型のデータセットを収集し、神経細胞群サブセットとそのアウトプットとしての身体機能との因果関係を推定した。その結果予想された因果関係について現在検証中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工知能を用いた大規模データの情報解析は、世界の研究のあり方を大きく変えてしまった。本研究はまさしくその流れに沿ったものであり、多量の独自研究データを情報学的に解析することで、実験的に検証可能な仮説を得たところである。最終的にこの仮説を実験的に検証できれば、学術的のみならず医学的にも意義深い情報に昇華できるのはもちろん、この流れの研究の有効性を示すモデルケースを提示できると考えている。
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