研究課題/領域番号 |
21K19284
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
内海 俊介 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (10642019)
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研究分担者 |
日浦 勉 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70250496)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 標本 / 生物多様性 / 形質 / ゲノミクス / 進化 / 進化的救助 / ミュゼオミクス / 徘徊性昆虫 / 迅速な進化 / 保全 / オミクス |
研究開始時の研究の概要 |
人間活動による環境変化が深刻さを増し、それによる生物の絶滅が急速に進行している。それに対し、迅速な進化によって絶滅を回避させる進化的救助という新しい理論が注目を集めている。しかし実践は容易ではなく、進化的救助の実証研究は進んでいない。そこで本研究は、まず過去に目を向け、自然史標本のあらゆる生化学・分子情報を取り出し、進化史や過去の遺伝的多様性の変遷などを推定しようとするミュゼオミクスのアプローチを発展させる。それによって、過去から現在までの個体数変化に進化的救助がどのように貢献してきたのか、進化的救助の成立条件は何か、を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、ゴミムシを対象に、2004年から2021年までに日本各地から採集された標本を用いて進化的救助に関する研究を行った。まず、① 形質の広域進化パターンとしての緯度勾配、② 18年間の形質の時間動態、③ 形質の撹乱応答、を明らかにした。特に、形質の時間動態については、体サイズが広域で一貫した変動をし、18年間の前半は小型化が進行していたものが後半は大型化が進行しているといういずれも新規の現象を発見した。また、集団サイズとの関連性が示唆された。さらにゲノム分析を行い、標本からのDNA抽出の検討、ライブラリー調整の検討、ターゲットエンリッチメントの実施、リファレンスゲノムの作成を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、長期モニタリングによる標本を活用し、これまでに知られていなかった形質の時空間変動パターンを明らかにし、集団サイズや撹乱応答について明らかにした知見をあわせて、可塑性を含む適応と、進化的救助の実態に迫る可能性が示唆された。さらに、標本を活用したゲノミクスの実施が実現する目途がたち、ミュゼオミクスによる進化的救助の解明に迫るところまでに至った。進化的救助の実態解明は、進化を考慮したこれからの生態系管理や保全において急務となっており高い意義を持つ。また、使用した標本は標準的なモニタリング手法によって得られた標本であることから、本成果はさらなる波及効果が期待される。
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