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菌類のゲノムワイドな分子情報に基づく系統復元と研究領域拡大への基盤構築

研究課題

研究課題/領域番号 21K19286
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
研究機関筑波大学

研究代表者

岡根 泉  筑波大学, 生命環境系, 准教授 (60260171)

研究分担者 小野 義隆  茨城大学, 教育学部, 特命研究員 (90134163)
山岡 裕一  筑波大学, 生命環境系, 研究員 (00220236)
研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードPhyllosticta / インドネシア / MIG-seq法 / ハプロタイプ / 一塩基多型 / rDNA ITS / 分子系統解析 / DNA塩基配列 / サビキン / 集団遺伝学 / 植物絶対寄生菌 / 植物内生菌 / さび病菌 / ゲノムワイド / 研究領域拡大
研究開始時の研究の概要

植物絶対寄生菌の主な研究材料は宿主上の菌体標本であり、材料の質・量の確保が限定的である。古い基準標本ではDNAの断片化、熱帯性の菌では雑菌汚染により塩基配列解読が困難なケースが多い。本研究では、PCRによってゲノム縮約ライブラリーを構築し、次世代シーケンサーによる塩基配列分析で一塩基多型解析等を行うために開発されたMIG-seq法を植物絶対寄生菌のサビキンに適用し、ゲノムワイドな塩基配列情報に基づく系統復元を行う。さらに、MIG-seq法の改良を検討し、既知種の30%に止まる菌類のDNA情報の拡充と、ゲノムワイドな情報に基づく分子系統学、集団遺伝学、系統地理学への研究領域拡大を目指す。

研究実績の概要

宿主広範性の内生菌であるPhyllosticta capitalensisの原産地が植物の多様性が高い熱帯地域であると仮定し、インドネシアにおけるP. capitalensisの遺伝的多様性と遺伝構造の評価を試みた。熱帯地域(インドネシア)、亜熱帯地域(南西諸島)、温帯地域(本州)から分離された377株について、まず、ITS領域塩基配列505-580 bpを決定し種の同定を行った。そして、本研究課題で菌類への適用を試みたMIG-seqによって見出された単相分離株358株のゲノムワイドなSNPデータを調査した。その結果、合計27のハプロタイプ(Hap)が低い塩基多様度(Pi=0.00241)で見つかった。AMOVAの結果では集団間の遺伝的分化が弱いことが明らかになった(PhiPT=0.195、P値=0.001)。ハプロタイプの多様性はインドネシアの2つの集団で高く、それぞれ16のハプロタイプと 9のハプロタイプが検出された。Hap 1が主要なハプロタイプで、それを中心とし、他のハプロタイプとは星型パターンを構成した。他のいくつかのハプロタイプは地理的地域との連関が認められた。Hap 9とHap 16はインドネシアの集団と他の熱帯地域に特異的であった。Hap 6とHap 12は日本の南西諸島に特異的であった。Hap 11は日本の温帯域の集団で検出された。さらに、SNPデータは系統樹に基づく明確な地理的クラスタリングを裏付けていた。主要なハプロタイプとして認められたHap 1は熱帯地域で生じ、その後亜熱帯地域や暖温帯地域に分散したことが推察された。そして、急速な分散がP. capitalensisの複雑な遺伝的多様化をもたらしていることが本調査から示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

多様な植物に定着し汎存的な植物内生菌として知られるPhyllosicta capitalensis(子嚢菌類)の分離株377株に対してMIG-seq法を試用しSNP解析を行ったところ、27のハプロタイプが認められ、菌類の系統解析と集団遺伝学的解析に本法が適用できることが確認された。しかし、その一方で、当初、主要な研究対象としていたサビキン(担子菌類)へのMIG-seq法の適用については、プライマーの不適合が原因と思われるPCRの不調が確認された。

今後の研究の推進方策

サビキンに対するMIG-seq法の適用については、PCR用プライマーの検討も視野に入れつつ、さらに新鮮なサビキンの採集サンプルについて検討を進めたい。その一方で、植物内生菌として分離されたPhyllosicta capitalensisについては、MIG-seq法に基づくSNP解析を進め、本菌の遺伝的多様性、宿主植物の違いを加味した本菌の系統関係と遺伝型の関連性、そして本菌の遺伝構造の解明を目指したい。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Phylogeographic distribution and migration pathways of endophytic Phyllosticta capitalensis revealed through population genetic analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Ramadhani、Indriati; Tsuda Yoshiaki; Okane Izumi
    • 学会等名
      Asian Mycological Congress 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2021-07-13   更新日: 2024-12-25  

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