研究課題
挑戦的研究(萌芽)
研究代表者らが見出した視床下部の特定の神経細胞集団(Qニューロン)を操作することによる冬眠様の低代謝状態の作用機構を明らかにし、Qニューロンの生体における活動様式を解明およびQニューロンの発現遺伝子を明らかにすることを目的に、視床下部背内側核におけるターゲットニューロンの同定、生理的条件下におけるQニューロンの制御機構と作動様式、Qニューロンに発現する遺伝子の網羅的解析を行う。
QIHを誘導するメカニズムを詳細に明らかにするために、Qrfp-FlpOマウスを確立し、また、光遺伝学的に長時間(24時間以上)連続的にQIHを誘導するための光遺伝学ツールとしてOPN4ΔCを開発した。この系を用いて、QIH導入相と覚醒相における心拍数変化が体温より早く応答することを明らかにした。また、Qニューロンの単核RNAシーケンスを行い、発現している遺伝子を網羅的に明らかにし、そのうち一部の受容体のアゴニストがQニューロンを興奮させること、および、マウスへの脳室内投与により低体温状態を誘導できることを明らかにした。
神経系の操作による人工冬眠状態であるQIHの生理的状態をよりよく理解するための知見を得たとともに、将来さらに詳細に解明するためのリソースを確立した。また、Qニューロンを興奮させ、低体温を惹起する低分子化合物を開発するために必要な情報を獲得した。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 8件) 産業財産権 (1件) (うち外国 1件)
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