研究課題/領域番号 |
21K19298
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 泰彦 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (60415932)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | エネルギー分配 / DNMT3 / ミジンコ / DNAメチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、淡水の主要な1次消費者であるミジンコをモデルとして、動物個体に流入するエネルギーの分配を決定する分子メカニズムを解明する。代表者らは最近、ミジンコにおいてde novo DNAメチル化酵素3.1(DNMT3.1)が飢餓時に稀少な細胞で発現し、エネルギー分配のマスター調節因子として働くことを発見した。そこで、本研究ではDNMT3.1発現細胞をエネルギー分配の中枢細胞と定義し、本細胞でDNMT3.1に制御される遺伝子ネットワークを解明する。
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研究成果の概要 |
限られたエネルギーを各生命活動へと配分するメカニズムを明らかにするために、環境応答研究のモデルであるミジンコを用いて研究代表者らが以前に見出していたエネルギー分配を司るDNMT3.1遺伝子の解析を行なった。DNMT3.1遺伝子へのノックインの過程で胚性致死が生じるという予想外の結果を得たが、新規のDNMT3.1遺伝子機能喪失変異体を作出すると共に新たなエネルギー分配制御因子を同定し、エネルギー分配の分子メカニズムの基盤を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物において、限られたエネルギーをいかに身体の維持、成長、繁殖などの各生物活動に配分するかは、個体群動態、個体における進化や適応、そして老化や疾患等の理解まで生命システムの幅広い階層における現象を理解する上で根源的な問題であるが、そのメカニズムはほとんど解明されていない。こうした中でミジンコにおけるエネルギー分配のメカニズムの基盤を遺伝子レベルで明らかにした本研究は、個体・個体群レベルでの進化や適応の原理のみならずエネルギー分配機構の生物間の共通性や多様性の理解に貢献できる。
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