研究課題/領域番号 |
21K19303
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
谷藤 吾朗 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (70438480)
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研究分担者 |
中山 卓郎 筑波大学, 計算科学研究センター, 助教 (70583508)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 非光合成葉緑体 / 光毒性色素 / メタゲノミクス |
研究開始時の研究の概要 |
代表者らはクリプチスタと呼ばれる単細胞真核生物で、非光合成生物が光毒性をもつクロロフィル前駆体を合成する酵素遺伝子をもち、実際に発現していることを明らかにした。また他研究でも、非光合成ながらクロロフィル合成系を持つ生物が報告されている。これらの成果は、クロロフィル関連物質が光合成以外に機能があること、また、多様な生物がその機能を備えることを示唆する。そこで培養可能な非光合成クリプチスタ生物を用いた実験系と環境メタゲノミクスを組み合わせた両輪を有する研究スタンスで、非光合成生物のクロロフィル合成系の機能と多様性の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
非光合成生物の光毒性色素について、培養可能な生物を用いた実験系と環境メタゲノミクスを組み合わせた両輪で機能と多様性の解明を目指した。培養株での実験では、光条件に依存した遺伝子発現パターンの変動を検出し、機能既知遺伝子より機能未知遺伝子群の発現変動が多く、より生理学的アプローチが必要であることが示唆された。環境メタゲノミクスでは、植物園の淡水水生植物区画の各地点を夏・冬で2回、2年間サンプリングを行った。同じ水系であっても季節ごと、地点ごとで微生物相が異なる結果を得た。また海産サンプルでは、真核生物サイズの細胞にこれまで知られていなかった新規系統のシアノバクテリアが共生していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クロロフィルは地球上に最も豊富に存在する色素である一方、光合成以外の機能についてはあまり考慮されていない。本研究では、海水域では沿岸部・外洋、淡水域では植物園・自然園内の各エリアの水サンプルを採集することで、疑似的に一般的な水環境を網羅的にサンプリングした。それらのエリアで非光合成葉緑体をもつ生物の多様性を解明し、環境中の存在量を推定した。今後のクロロフィルの光合成以外の機能に着目した研究により、進化多様性だけではなく生化学・生理学・生態学的な研究、および応用分野でも波及効果が期待される。
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