研究課題/領域番号 |
21K19307
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 浜松医科大学 (2023) 金沢大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
新明 洋平 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00418831)
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研究分担者 |
河崎 洋志 金沢大学, 医学系, 教授 (50303904)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | フェレット / アストロサイト / 脳回 / 大脳 / 進化 / 大脳皮質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、マウスを用いてアストロサイトの数を制御するメカニズムの解明を目指す。さらに、マウスよりも多くのアストロサイトを有するフェレットを用いることにより、進化におけるアストロサイトの数の増大を制御するメカニズムに迫る。また、我々の研究結果から、進化におけるアストロサイトの数の増大が脳回形成に重要であった可能性が示唆されている。そこで、発達した脳回を持つフェレットを用いて脳回形成におけるアストロサイトの重要性を検証する。
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研究成果の概要 |
ヒトなどの高等哺乳動物では大脳皮質は特に発達しており、発達期にその組織構築がダイナミックに変化しシワ(脳回)を形成する。この進化の過程で大脳内の神経細胞とグリア細胞の数が増大したことは自明であるが、神経細胞よりもグリア細胞の一種であるアストロサイトがより顕著に増加したことは注目すべき事実である。本研究では、次世代シークエンサーによる解析に加え、in vitroおよびin vivoの実験系を駆使することにより、進化におけるアストロサイトの数の増大に関わる分子機構の一端を明らかにした。FGFシグナルのポジティブフィードバックループによる増殖制御がアストロサイト数の決定に重要であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
皺脳動物でのアストロサイト研究の重要性は世界的に注目されていたが、その研究は遅れていた。この主たる原因は、皺脳動物の脳内のアストロサイトでの遺伝子操作が困難なためであった。重要なことに私たちは、子宮内エレクトロポレーション法、piggyBacシステム、細胞種特異的プロモーターを組みわせることにより、フェレット大脳においてアストロサイト選択的な遺伝子発現システムを確立した。その手法を用いて、アストロサイトの数の制御メカニズムの一端を明らかにした。このように、独自技術を利用して皺脳動物でのアストロサイトの解析を行った本課題は学術的に重要性の高い研究であると言える。
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