研究課題/領域番号 |
21K19312
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
見学 美根子 京都大学, 高等研究院, 教授 (10303801)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 小脳顆粒細胞 / ニューロン遊走 / DNA損傷 / ゲノム不均一性 / NGS解析 |
研究開始時の研究の概要 |
皮質形成過程で組織間隙を通過した際に生じるDSBが特定のクロマチン構造やDNA配列を標的とするかを、特にニューロン機能遺伝子の制御領域との相関に注目してマルチオミックス解析により検証する。また、DSB修復が起こらない変異マウスを用い、DSBホットスポット周辺に突然変異が生じているかを検証する。これらの変異が定型発達および精神神経疾患脳で確認されている体細胞突然変異と相関しているかをデータベースを用いて検証し、遊走期のDSBがニューロン特有の生理的病理的ゲノム不均一性に寄与しているかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、脳皮質形成過程の形態形成運動の機械的ストレスにより生じるDSBが、特定のクロマチン構造やDNA配列を標的とするかをマルチオミックス解析により検証することを目的とした。END-seq法、gH2AXに対するChIPseqおよびCUT&Tag法を確立し、in vitro遊走アッセイで隘路通過後に増加するDSBのピークの同定を試みた。しかし上記培養系は回収率と実験操作で生じるDNA損傷のため不適であることが判明した。そこで脳組織を凍結後に核を採取し、精製過程にDNA損傷修復反応が起こらない条件でクロマチン精製する方法を最適化して検証したところ、転写活性領域にDSBが集積することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞遊走は発生、免疫、がん転移などの様々な生理・病理過程に必須の過程である。隘路遊走に伴うDNA損傷が体細胞突然変異を誘発する可能性は株化細胞を用いた研究で議論されているが、生体での意義については推論の域を出ない。本研究は、生体内のニューロンで初めて捉えた3D隘路遊走に伴うDSB形成の生理的病理的意義を明らかにする画期的な挑戦であり、DSBの詳細なマッピングの手法を確立した。今後野生型とDSB修復の起こらない遺伝子改変動物を用いて隘路遊走により生じるDSBがニューロン特有のゲノム不均一性に関わる可能性を検証する。
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