研究課題/領域番号 |
21K19316
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
橋本谷 祐輝 同志社大学, 研究開発推進機構, 准教授 (50401906)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 海馬 / シナプス可塑性 / CA3 / 苔状線維 / LTP / 膜容量測定 / 長期増強 / 歯状回 |
研究開始時の研究の概要 |
シナプス伝達効率が長時間に渡って増強する長期増強(LTP)は、記憶・学習の細胞レベルの基盤と考えられている。LTPには、シナプス後部で変化する場合とシナプス前部で変化する場合がある。歯状回の顆粒細胞の軸索である苔状線維と海馬CA3錐体細胞で形成されるシナプスのシナプス前終末は、巨大な神経終末を作り、皮質内のシナプスでは例外的に、直接電気記録が可能である。しかも苔状線維―CA3シナプスはシナプス前部の変化によってLTPが起こる。本研究ではシナプス前終末からパッチクランプ法による電気記録を行うことによって、これまで未解明であったシナプス前性LTPのメカニズムを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
シナプス伝達効率が長時間に渡って増強する長期増強(LTP)は、記憶・学習の細胞レベルの基盤と考えられている。しかしそのメカニズムはよくわかっていない。歯状回の顆粒細胞の軸索である苔状線維と海馬CA3錐体細胞で形成されるシナプスではシナプス前部の変化によってLTPが起こる。本研究計画では、この特徴的なシナプスをモデルとし、LTP発現によるシナプス前部の分子機構の解明を目的とした。その結果、LTP誘導によって即時放出可能プールのサイズは変化しないが、放出確率が上昇することがわかった。以上の結果からLTP発現によってシナプス小胞の放出確率が増大することによってLTPが起こることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
シナプス伝達効率が長時間に渡って増強する長期増強(LTP)は、記憶・学習の細胞レベルの基盤と考えられている。したがってLTPのメカニズムを細胞・分子レベルで明らかにすることは、記憶・学習の分子機構を理解するうえで極めて重要である。さらに認知症の治療やAI開発にも貢献する可能性がある。 したがってLTPの分子メカニズムを調べた本研究の成果は今後、ヒトでの応用を考慮した場合にも有用な知見を与えると期待される。
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