研究課題/領域番号 |
21K19319
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
齋藤 徹 北見工業大学, 工学部, 教授 (40186945)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 気液界面 / 薬物 / 精製 / 濃縮 / 析出 / 高純度化 / 簡便 / 迅速 / フローテーション / 色素 / 高純度 / 塩基性薬物 / 迅速精製 / 疎水性 / かさ高さ / 凝集 / 精製技術 / 薬物選択的 / 迅速分離 |
研究開始時の研究の概要 |
水中の薬物が気泡表面(気液界面)に選択的に吸着し、気泡の上昇とともに水面に濃縮されるという申請者の発見に基づき、薬物を原料物質や副生成物から迅速に分離する気泡分離技術の可能性を検討する。従来技術の常識を圧倒的に凌駕する超迅速・低環境負荷分離精製技術の開発を試みる。薬物の気液界面への吸着に及ぼす要因やその制御因子を解明するとともに、系の予測や評価方法を確立する。現在および将来にわたり開発される任意の薬物を迅速に分離精製する技術を設計するための基盤となる分離科学を開拓する。
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研究成果の概要 |
気液界面への薬物の選択的な吸着現象の発見に基づき、気泡を吸着材とする新規分離技術(気泡分離)を創案し、薬物の分離精製技術としての可能性を検討した。抗マラリア薬クロロキンの合成後の粗製物を本法により精製し、3回の気泡分離の繰り返しにより、標準物質と同等の高純度品を得ることができた。 微視的環境プローブを用いる気液界面の溶媒特性を評価より、酢酸エチル相当の薬物の捕捉に適した場の形成が示唆された。動的表面張力測定結果より、原料に対して生成物であるクロロキンが選択的に気液界面に吸着することが裏付けられた。さらに、分子動力学シミュレーションにより薬物の気液界面への吸着や凝集が再現された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気液界面の薬物捕捉媒場としての可能性に着目し、空気を吸着材として用いる薬物分離技術を創案した。気液界面への界面活性剤の吸着は広く知られており、界面がバルクの水と比べて疎水的な性質を持つことは古くから指摘されていた。しかし、気泡を水中物質の吸着材とする考えはこれまでになかった。本研究は、空気が薬物を選択的に捕捉する吸着材となることを見出し、応用の可能性を示した世界で初めての成果である。 薬物の精製には主に晶析やクロマトグラフ分離が用いられており、多量の有機溶媒やエネルギーを必要とする。分離精製により発生する廃棄物や再生も課題であった。本法の実用化により、迅速かつ持続可能なプロセスとなる。
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