研究課題/領域番号 |
21K19323
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鬼塚 和光 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (00707961)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | RNA / 貫通構造体 / ロタキサン / カテナン / フリップアウト / 翻訳 / DNA / 環状核酸 / 核酸 / 環状化 / 機能性核酸 / mRNA |
研究開始時の研究の概要 |
ユニークな構造や性質を持つロタキサンをキーワードとした研究は数多く行われている一方で、ロタキサン様構造構築の難しさのため、生命科学分野への応用に関しては十分に開拓できておらず、更なるブレイクスルーが必要とされている。本研究では独自の研究で見出した標的核酸塩基のフリップアウトを誘起する機能性核酸を利用し、これまで実現されたことのない小さな環を持つ核酸貫通構造体(ロタキサン様構造)の簡便な構築を目指す。さらにこの非共有結合性修飾により、天然のRNAに望みの機能を追加できる汎用的なプラットフォームの構築、特に末端保護によるmRNA安定化、翻訳効率の向上を目標に研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究ではフリップアウト能を持つ機能性核酸を利用し、新しい核酸貫通構造体を構築することおよびその機能探索を行い、特に翻訳反応の制御を目標とし研究を始めた。最初に設計した分子ではフリップアウト能は示したものの、貫通構造体の形成には至らなかった。そのため以前の知見をもとに、テイル鎖を持つ環状化核酸のスリッピングによる標的RNAへの貫通構造体形成を試みた。合成法を改善し、改良した環状化核酸を用いて翻訳の制御を試みたが顕著な効率の変化は確認できなかった。貫通構造体(擬ロタキサンやカテナン)の構造体形成の詳細な機構解明、非共有結合型のラベル化には成功したため今後の更なる高機能化が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ロタキサンのような貫通構造体の生化学分野への応用に関しては未だ課題が多く、更なるブレイクスルーが必要とされている。環状形態が作り出す貫通構造は分子認識・機能発現にとって理想的な場を構築するため、生体分子に対する機能を備えた貫通構造体形成分子の創製は学術的に価値ある挑戦である。本研究の最終的な成果として、RNAに貫通構造体を形成させることで、共有結合を介さずに効率的に修飾やラベル化が可能になる技術を確立することに成功した。直鎖のRNAだけでなく環状RNAでも同様の修飾を可能にした。これは環状RNAが関与する新たな生命現象の発見・解明やその機能制御に資する生化学ツールとしての応用が期待される。
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