研究課題/領域番号 |
21K19333
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 博章 京都大学, 薬学研究科, 教授 (90204487)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 構造生物学 / 構造薬理学 / 膜タンパク質 / リン脂質膜 / トランスポーター / 多剤耐性 / リン脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ナノディスクに挿入した多剤排出トランスポーターが同一化合物に対して異なる薬理学的な挙動を示した原因がリン脂質組成の違いによることを詳細な立体構造解析と薬理学的機能解析によって明らかにするものである。この研究により、膜タンパク質の立体構造とその作用メカニズム対して脂質膜環境が果たしている役割が解明できるものと期待される。
|
研究成果の概要 |
2種類の多剤排出トランスポーターABCB1とABCG2のホモログを標的として様々な細胞膜組成のリン脂質とともにナノディスクに再構成する系を確立した。そして、ナノディスク中におけるATP加水分解活性を測定した。その結果、輸送基質存在下と非存在下における比活性の違いを詳しく計測することができた。さらに、それらナノディスクを用いて極低温電子顕微鏡を用いた単粒子(CryoEM)解析を行ったところ、高分解能での構造決定が可能な電顕像を観測することができた。そこで、その立体構造解析を行った結果、分子構造モデルを作成することに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでCryoEMで立体構造解析されたことがない、2種類のABC多剤排出トランスポーターの立体構造を解析することに初めて成功した。好熱性真核生物Cyanidioschyzon merolae由来のABC多剤排出トランスポーターCmABCB1については、界面活性剤ミセル中に溶解した状態についてX線結晶構造が、すでに我々によって決定されていたことから、界面活性剤中とリン脂質膜中のCmABCB1の立体構造比較が可能となり、今後、両状態での立体構造の違いが明らかになれば、リン脂質と膜タンパク質の相互作用について新たな知見が得られるものと期待される。
|