研究課題/領域番号 |
21K19334
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白川 久志 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (50402798)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 中枢神経疾患 / 血管病変 / 血液脳関門 / TRPチャネル / CNS炎症 / アストロサイト / グリア細胞 / 中枢神経系疾患 / 脳血管疾患 / PGE2 / Oraiチャネル / ミクログリア / 認知症 / 脳毛細血管 / 血管内皮細胞 / ペリサイト |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会の最優先課題とも言える認知症の克服。本研究ではこの神経変性疾患に関して、血液脳関門を構成する脳毛細血管の構成細胞に着目する。近年、末梢炎症/免疫異常が何らかの形で脳実質に影響を及ぼした結果、認知症が発症/増悪する可能性が示されているが、その詳細はミッシングリンクのままである。そこで血液脳関門を構成する細胞群に着目し、その功罪両面について病態における詳細を精査する。その過程においては、遺伝子改変マウスを用いて該当細胞の特異的除去や活性化/抑制を行い、末梢炎症が関与するマウス認知機能障害モデルにおいて新たな発症/増悪機序を提唱したい。
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研究実績の概要 |
多くの中枢神経疾患では、慢性的な炎症(CNS炎症)がおこり、最終的に神経細胞の変性/脱落に至ることが示唆されるようになってきたが、その病態メカニズムや元来生体が持つはずの防御機構には不明な点が多い。 本年の研究では、脳血流を慢性的に低下させ、比較的緩やかに脳を低灌流状態にすることで認知機能障害の動物モデルとして、マウス両側総頸動脈狭窄 (BCAS) モデルを用いた。このBCASモデルは、慢性脳低灌流、CNS炎症、白質傷害、認知機能障害といった認知症の代表的な特徴を再現できるモデルと評価されている。本年の研究でも、血液脳関門を構成する細胞群のうちアストロサイトに着目した。その過程で、シナモン主成分のシンナムアルデヒド(CA)やワサビ主成分、温和な熱や活性酸素種にも感受性のあるTRPA1チャネルの遺伝子欠損マウスを用いて詳しく調べたところ、BCAS手術によりTRPA1遺伝子欠損マウスでは、対照群の野生型マウスよりも早期に白質傷害および認知機能障害がおきること、さらに血液脳関門の破綻が惹起されることを見いだした。さらに認知機能障害の病態メカニズムについて詳細に調べたところ、脳で最も多いグリア細胞であるアストロサイトに発現しているTRPA1の活性化が髄鞘形成促進作用を持つサイトカインである白血病阻止因子(LIF)の産生を介してオリゴデンドロサイト前駆細胞を分化させて白質傷害を抑制していること、TRPA1刺激薬であるCAを連続的に投与することにより、白質傷害が抑制されて認知機能障害が観察されなくなることも見いだし、アストロサイトTRPA1が認知機能障害の早期発症を予防する保護的な役割を果たしていることが明らかとなった。 研究期間全体の成果から、CNS炎症とそれに伴う病態におけるアストロサイトの反応・創薬標的に関する情報の一部が明らかとなった。
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