研究課題/領域番号 |
21K19352
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
仁田 亮 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40345038)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | クライオ電子顕微鏡 / クライオ電子線トモグラフィー / クライオCLEM / クライオFIB-SEM / 微小管 / 単粒子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞生物学的解析と構造生物学的解析とのギャップを埋めるため、微小管結合タンパク質CAMSAP2が先導する非中心体性微小管ネットワーク形成過程を題材に、クライオ電子線トモグラフィー法による細胞内構造解析スキームを整備する。遺伝子導入、グリッド上での細胞培養、急速凍結、クライオ蛍光顕微鏡による標的分子の位置特定、クライオFIB-SEMによる試料の菲薄化、クライオトモグラフィー撮影、立体構築、画像解釈の各工程を最適化し、ルーチン的に細胞内構造解析を行う環境を整備し、医学・生命科学的課題に応用できる技術を開拓する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、中心体非依存性微小管ネットワークの形成の場を題材に、クライオ電子顕微鏡法による細胞内分子構造解析法の整備を行った。目的タンパク質を蛍光標識したCOS7細胞をグリッド上で培養・急速凍結し、クライオ蛍光顕微鏡で標的分子のグリッド上でのマップを作成、その後、細胞周辺の薄い部分を狙ってクライオ電子線トモグラフィー撮影を行った。得られた画像を3次元再構成し、その解釈は深層学習またはテンプレートマッチングにより自動化に成功した。また、iPS心筋細胞を用いて、核周辺のZ軸方向に5-10μmの厚さのある部分をFIB-SEMにて薄切し、クライオ電子線トモグラフィー法のスキームを一通り確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞レベルのクライオ電子線トモグラフィー解析は、細胞内局所で起こる様々な生理的・病理的反応の場を、細胞内の分子構造変化として捉えることができる唯一の手法である。ゆえに本研究により、細胞内で起こっている現象を分子レベルで可視化することが可能となり、細胞生物学・分子病理学などの大きなブレークスルーにつながることが期待される。今後の課題は、本手法のスループットを如何に向上させ、一般的な技術として定着させるかである。
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