研究課題
挑戦的研究(萌芽)
細胞の核内においては液―液相分離によって形成される液滴が様々な細胞機能を担っている。液滴構成因子を網羅的に同定する新規マルチオミクス解析によって、転写やRNAプロセシングに機能するCajalボディーの構成因子を網羅的に解析したところ、Cajalボディーには神経変性疾患の関連因子が多く含まれることが明らかとなった。このことから、神経変性疾患では正常なCajalボディーの機能が阻害され疾患が引き起こされる可能性が考えられる。本研究では、Cajalボディー形成機構を解明し、その破綻による神経変性疾患の発症メカニズムの解明を目指す。
核内には膜構造がないにも関わらず、ユークロマチン、ヘテロクロマチン、核小体、Cajal body、specklesといった領域で核内は区画化されている。最近、これらの非膜構造体が液―液相分離による“液滴”によって形成されることが明らかとなってきた。本研究では、抗体を用いたIn situビオチン化法によるマルチオミクス解析によって、非膜核内構造体の1つCajal bodyの構成因子を網羅的に同定する。そして、Cajal bodyの形成機構とその破綻がAmyotrophic lateral sclerosis(ALS)などを含む神経変性疾患の発症機構にどのように関わるのについて明らかにする。
本研究によってCajal bodyの形成機構とその破綻によるALSなどの神経変性疾患の発症機構との関連が明らかになれば、難治性の神経変性疾患の発症機構の解明に繋がることが期待できる。さらに、Cajal bodyの機能を正常化させることが、神経変性疾患の治療のポイントとなる可能性も考えられる。
すべて 2023 2022 2021 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)
BioEssays
巻: 45 号: 4
10.1002/bies.202200178
Microorganisms
巻: 10 号: 12 ページ: 2381-2381
10.3390/microorganisms10122381
Scientific Reports
巻: 12 号: 1 ページ: 17376-17376
10.1038/s41598-022-22343-5
Development.
巻: 149 号: 21
10.1242/dev.199931
Cell & Bioscience
巻: 12 号: 1 ページ: 92-92
10.1186/s13578-022-00812-8
Nature Communications
巻: 13 号: 1 ページ: 2905-2905
10.1038/s41467-022-30632-w
実験医学増刊
巻: 40(12) ページ: 1910-1917
Science Advances
巻: 7 号: 50
10.1126/sciadv.abi5751
Human Molecular Genetics
巻: 31 号: 1 ページ: 69-81
10.1093/hmg/ddab224
巻: 7 号: 13 ページ: 2368-2368
10.1126/sciadv.abd2368
Seikagaku
巻: 93(6) ページ: 810-814
40022783946
https://ycu-molecularbiology.jp/