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腫瘍リンパ管新生の本態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K19357
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
研究機関東京理科大学

研究代表者

昆 俊亮  東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 准教授 (70506641)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードリンパ行性転移 / リンパ管侵襲 / EndMT / シングルセルRNAシークエンス解析 / 内皮間葉転換 / 発がん / がん転移 / 腫瘍リンパ管新生 / 乳糜管
研究開始時の研究の概要

悪性化した原発がん細胞は血行性もしくはリンパ行性に転移し、遠隔臓器に生着することが疾患としてのがんの主たる死因である。がん細胞の血行転移メカニズムについてはこれまで精力的に研究が行われているのに対し、がん細胞がリンパ行性に転移する機序についてはほとんど分かっていない。本研究では、正常線維芽細胞からリンパ管内皮細胞への転換をがん細胞が促す可能性を角膜移植モデルにより検証する。

研究成果の概要

がん細胞は血管またはリンパ管を介して転移するが、がん細胞がどのようにしてリンパ管に侵襲するかはよくわかっていない。本研究では、腸管にてリンパ指向性に転移するマウスモデルを解析した結果、腫瘍の進展に伴って、腸管のリンパ管である乳糜管が退行することを明らかにした。さらに、single cell RNA-seqの結果より、リンパ管内皮細胞では内皮―間葉転換(EndMT)に関わる分子の発現が顕著に変化することを突き止め、実際に腫瘍部位のリンパ管内皮細胞ではEndMTが誘導されることを明らかにした。これらの結果より、がん細胞はリンパ管内皮細胞にEndMTを誘導し、リンパ管内に侵襲することが示唆された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

悪性化したがん細胞は、血管もしくはリンパ管に侵襲し転移するため、このプロセスを抑止する解法を導出できれば、既存の抗がん剤や外科的処置との併用によりがんの治療効率の大幅な改善が期待できる。本研究成果では、がん細胞がリンパ管内皮細胞にEndMTを誘導することにより、リンパ管の構造不安定化を惹起し、管内に侵襲することを示唆する結果が得られた。リンパ管侵襲に関する研究を臨床医学に応用する試みはまだ世界でも始まっておらず、がん手術時にリンパ節郭清が標準的に行われている本邦こそが世界に先んじてこの研究分野のイニシアティブをつかむべきである。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Wnt activation-induced disturbance of cell competition causes diffuse invasion of transformed cells through upregulation of NF-κB-mediated MMP212023

    • 著者名/発表者名
      Nakai, K., Lin, H., Yamano, S., Tanaka, S., Kitamoto, S., Sakuma, K., Kurauchi, J., Akter, E., Konno, M., Koseki, J., Takahashi, H., Yokoyama, H., Shiraki, Y., Enomoto, A., Abe, S., Hayakawa, Y., Ushiku, T., Mutoh, M., Fujita, Y. and Kon, S.
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 14 号: 1 ページ: 7048-7048

    • DOI

      10.1038/s41467-023-42774-6

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Cell competition-induced apical elimination of transformed cells, EDAC, orchestrates the cellular homeostasis2021

    • 著者名/発表者名
      Kon Shunsuke、Fujita Yasuyuki
    • 雑誌名

      Developmental Biology

      巻: 476 ページ: 112-116

    • DOI

      10.1016/j.ydbio.2021.03.015

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 細胞競合によるがん変異細胞検出法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      昆 俊亮
    • 学会等名
      日本がん予防学術学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] デノボがん細胞のリンパ管侵襲機構2022

    • 著者名/発表者名
      昆 俊亮
    • 学会等名
      日本リンパ学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] デノボがん細胞のリンパ行性転移機構2022

    • 著者名/発表者名
      昆 俊亮
    • 学会等名
      日本がん転移学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] がん細胞が誕生したときの生体内反応2021

    • 著者名/発表者名
      昆 俊亮
    • 学会等名
      第53回 フォーラム富山「創薬」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [備考] がん細胞が細胞競合を利用して浸潤することを発見 ~細胞競合の機能変容によるがん細胞の浸潤機構の解明~

    • URL

      https://www.tus.ac.jp/today/archive/20231122_4682.html

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2021-07-13   更新日: 2025-01-30  

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