研究課題/領域番号 |
21K19359
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分48:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
川村 晃久 立命館大学, 生命科学部, 教授 (90393199)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ダイレクトリプログラミング / 心臓ペースメーカ細胞 / 再生医学 |
研究開始時の研究の概要 |
臨床医学ならびに経済活性化のための重点課題である過労死や突然死の克服には、その原因の多くを占める致死性不整脈に対する治療法の確立が必須である。その中でも心拍数が著しく低下する重症徐脈性不整脈では機械式ペースメーカによる治療が普及しているが、感染、自律神経不応答、高額医療(~250万円)などの課題を抱えるため、ペースメーカ組織を再生させる新たな治療法の開発が急務となっている。そこで本研究では、機械に代わるペースメーカ細胞を別の細胞から誘導する方法を確立するために、心臓ペースメーカ組織・洞房結節の発生制御分子ネットワークに着目した研究を展開する。
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研究成果の概要 |
心拍数が著しく低下する重症徐脈性不整脈では機械式ペースメーカによる治療が普及しているが、感染、自律神経不応答、高額医療などが問題となる。そこで、本研究では、機械に代わる心臓ペースメーカ細胞を別の細胞から誘導する方法の確立を目指した。はじめに、ペースメーカ組織で蛍光を発するレポーターマウスの発生期心臓を用いたRNA-seqからGFP陽性細胞で高発現する遺伝子群を抽出した。次に、発生期のマウス心臓の各領域からATAC-seqを行い、上記の遺伝子群で心房特異的オープンクロマチン領域をもつものを候補因子とした。これらの因子については、線維芽細胞に遺伝子導入してペースメーカ細胞への誘導効率を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子導入によるダイレクトリプログラミング法は、体細胞から機能成熟した細胞が得られると期待される。多能性幹細胞を用いた分化培養と比べて未分化細胞の除去や分化細胞の成熟化が省略され、時間と費用を節約できるため、臨床応用へ向けた基礎研究として意義深い。研究成果は、本邦で6 万件以上の移植術が行われる機械式ペースメーカの欠点を克服した新たなツールとして、生産者年齢から高齢まで幅広い患者の予後改善や生活の質の向上に大きく貢献すると期待される。さらに、本研究は未解明な心臓ペースメーカ組織の発生制御分子ネットワークの解明にも繋がり、学問的な芽生えとなる研究成果といえる。
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