研究課題/領域番号 |
21K19365
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
内田 康雄 東北大学, 薬学研究科, 准教授 (70583590)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | プロテオタイピング / パラフィン切片 / 病理診断 / 分子病理学 / レーザーマイクロダイセクション |
研究開始時の研究の概要 |
生体組織における病態分子機構の解明やバイオマーカー開発において、標的定量プロテオミクスが有用な技術であるという認識が定着しつつある。しかし、十分な例数の凍結組織を用いた研究は未だ難しい。また少数の標的タンパク質に限定した解析であることから、得られる情報量に限界であった。これを解決するためには、パラフィン組織を用いたタンパク質発現の網羅的定量法が必要であるが、従来法は再現性が極めて悪かった。本研究では、パラフィン組織を用いた高精度な「プロテオタイピング」によって、分子病理学の新領域を拓くことを目標とする。
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研究成果の概要 |
パラフィン切片内の病変部位をレーザーマイクロダイセクションによって採取し、PCT法によってタンパク質抽出とトリプシン消化を促進し、SWATH法による高精度かつ網羅的な質量分析測定およびデータ解析におけるin silicoペプチド選択を組み合わせることによって、パラフィン切片内の目的の部位・細胞における病態分子機構を定量的に解明できる手法を構築した。脳アミロイド血管症の組織切片にこの方法「プロテオタイピング」を適用することによって、ヒトの脳疾患において新規の分子機構をタンパク質レベルで探索・解明するうえで有効な方法であることが実証された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質の“定量”は診断などの様々な臨床的な目的に欠かせない手法である。しかし、日常的な病理診断に利用されているFFPE組織に対して有用な定量法は確立されておらず、挑戦的な課題とされてきた。本研究によって、FFPE検体で利用可能な、高精度かつ網羅的なタンパク質定量技術が開発された。細胞内分子ネットワークでのあらゆる分子・カスケードの活性化状態を定量的に評価する診断基盤が確立し、最も活性化している責任分子・カスケードの同定が可能になり、患者毎に最適化された治療が実現できる。
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