研究課題/領域番号 |
21K19368
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
海老原 敬 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20374407)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 自然リンパ球 / 訓練免疫 / ILC2 / ILC1 / ILC3 / NK細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
自然リンパ球(ILC: Innate lymphoid cell)は、抗原非特異的な炎症を記憶し組織に常在する。これをILCの訓練免疫という。しかし、ILC訓練免疫の生理的意義は、現在まで疑問視されている。なぜなら、炎症を経験したILCを除去する生体システムがないためである。そこで、本研究では炎症の記憶をもったILCを除去する生体システムを構築することを目標とする。
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研究実績の概要 |
自然リンパ球(NK細胞, ILC1, ILC2, ILC3)は、炎症初期にサイトカインを産生することにより免疫の方向性を決める大事な免疫細胞である。NK細胞とILC1は抗ウイルス免疫・抗腫瘍免疫を、ILC2は抗寄生虫免疫・アレルギー炎症を、ILC3は抗細菌免疫を誘導する。自然リンパ球は、一度炎症を経験した後に長期生存し、2次刺激に対して抗原非特異的に炎症を誘導する機能(訓練免疫機能)をもつが、その生理的機能は未だ明らかになっていない。そこで本研究では、①活性化し訓練を受けたILCを追跡する動物モデルを作成し、②活性化ILCのみを除去する動物モデルの作製を目標とする。 ILC活性化マーカーとしてKLRG1, PD-1, TIGITに着目した。細胞系譜解析を行うために、それぞれのCre-ERT2マウスを作製し、Rosa26-loxp-stop-loxp-tdTomatoマウスと掛け合わせた。TIGIT陽性となったILC2の細胞系譜解析の結果、ILC2は過剰に活性化するとTIGITを発現し、近くにいるマクロファージによって細胞死が誘導されることが分かった。この結果はJ Exp Medで発表した(Yamada T, et al., J Exp Med. 2024)。KLRG1-Cre-ERT2マウスは効率よくKLRG1陽性細胞をラベルすることが出来ず、pendingとした。一方、PD-1陽性となったILC2の細胞系譜解析の結果、PD1陽性となったILC2は長期生存し訓練免疫現象を担うことが分かった。そこで、PD-1を発現したILC特異的に細胞を除去するために、PD1-Cre-ERT2/GATA3-loxp-stop-loxp-Frt-iDTR-GFP-Frt/Lck-Flpoマウスを作製した。現在評価中である。
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