研究課題/領域番号 |
21K19373
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 日本大学 (2022-2023) 東京医科歯科大学 (2021) |
研究代表者 |
鍔田 武志 日本大学, 歯学部, 客員教授 (80197756)
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研究分担者 |
スルタン ソフィア・シェリル 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (20838437)
沼本 修孝 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 准教授 (20378582)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 多糖抗原 / デキストラン / B細胞 / 抗体産生 / 細胞内分解 / Bリンパ球 / T細胞非依存性 / T細胞非依存性抗体反応 / エンドソーム |
研究開始時の研究の概要 |
肺炎球菌への感染免疫では、肺炎球菌が産生する表面の多糖への抗体産生が主要な役割を果たす。タンパク質抗原への抗体産生には、抗原に反応したBリンパ球(B細胞)へのTリンパ球(T細胞)による活性化補助が必須であるが、B細胞による多糖抗原への抗体産生にはT細胞は不要である。しかしながら、どのようなメカニズムでT細胞の補助なしにB細胞が多糖抗原への抗体を産生するのか、まだ明らかではない。そこで、B細胞が多糖抗原に反応した際にB細胞内に取り込まれる多糖抗原の役割を明らかにすることで、多糖抗原への抗体産生の仕組みを明らかにする。
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研究成果の概要 |
多糖抗原はT細胞非依存的にB細胞を活性化し、特異抗体の産生を誘導するが、そのメカニズムには不明な点が多い。B細胞が抗原を認識すると、抗原はエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれ、エンドソーム/リソソームに移行する。タンパク質抗原は速やかに分解されるが、多糖は分解されず長時間保持される。多糖抗原デキストランを分解するデキストラナーゼは微生物が分泌する。デキストラナーゼを動物のリソソームタンパク質と融合することで、リソソーム酵素として機能させることに成功した。さらに、この酵素を用いることで、多糖抗原へのB細胞の活性化にエンドソーム/リソソームで保持される多糖抗原の重要性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺炎球菌など莢膜を持つ細菌の莢膜多糖には抗体が産生され、莢膜多糖への抗体がこれら細菌への獲得免疫応答で中心的な役割を果たす。小児や高齢者では多糖抗原への抗体産生が低下するためにこれら感染症に罹患しやすくなる。一方、莢膜多糖を含むワクチンがこれらの感染症の予防に有用である。多糖抗原による抗体産生のメカニズムが明らかになれば、小児や高齢者での多糖抗原への抗体産生低下の予防法の開発や、莢膜を持つ細菌への有効性の高いワクチンの開発につながる。
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