研究課題/領域番号 |
21K19376
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 一路 京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
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研究分担者 |
竹本 訓彦 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (40546793)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | A群レンサ球菌 / 遺伝子変異 / ゼノファジー / 病原性の変化 / エピジェネティクス / 高病原化 / 莢膜 / メチル化酵素 / メチル化 / ポピュレーションダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細菌のゲノムの特定の領域特異的に変異を起こすメカニズムについて、1) DNA修飾が単に部位特異的な修飾によって遺伝子発現の変化を誘導するだけでなく、変異導入を誘発することで高病原化を促すのか 2) 宿主生体内ではゲノム変異が高頻度で誘発されるのか、またそれがどこで起きるのか 3) 変異を誘発するような外的刺激は存在するのか、の3点について明らかにする。
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研究成果の概要 |
A群 レンサ球菌が宿主細胞内に侵入してゼノファジーに認識されるが、全ての菌が排除されるわけではなくて、一部の菌はゼノファジーの分解から逃れる。そのた め、感染した細胞から残存した菌を回収し、さらに再感染を行ったところ、一部の菌で、莢膜産生量が劇的に増加することが明らかとなった。現在これらの菌の 遺伝子変異部位をショートリードシーケンサーによって解析したところ、ゼノファジーに晒された菌では、ゼノファジー不全細胞では見られない劇症型特有の変 異株が出現することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌の病原性を大きく変化させる機構は、外来性遺伝子の獲得による構成遺伝子の変化だけでなく、点変異による遺伝子の変化やゲノム構造の変化を伴うリレンジメントなど様々な要因が考えられる。そのため、「病原性の変化」を遺伝子の違いから類推することが細菌学の主流な研究スタイルとなっていた。本研究によって、一部の細菌では集団内でメチル化パターンの異なる亜集団を持つことで様々なストレス環境下での生存確率を制御あるいは異なる役割を分担させるといった高度な生存戦略を取ることが明らかとなった。
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