研究課題/領域番号 |
21K19382
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
伊藤 美菜子 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (70793115)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 制御性T細胞 / 脳組織Treg |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では脳特異的Tregの誘導機構を明らかにし、全く新しい中枢神経系炎症性疾患の治療・予防法の確立を目指す。①脾臓やリンパ節のTregを脳細胞や脳組織と共培養することによって、Tregに脳特異的な特徴を誘導する脳内因子を明らかにする。②脳梗塞マウスよりTregを単離しTregのT細胞受容体、および脳Tregを活性化させる脳由来抗原を明らかにする。これらを用いて、in vitroで脳Tregを誘導する系を確立する。③マウス生体内で脳Tregの誘導を促進させる、さらに、in vitroで作製した脳Tregを移入することによって、脳内炎症性疾患の治療介入実験を行う。
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研究成果の概要 |
脾臓由来の制御性T細胞(Treg)は、脳の支持細胞であるアストロサイトの存在下で効率よく増幅された。IL-33とセロトニンを加えることで、ST2、PPARγ、セロトニン受容体7(Htr7)の発現といった脳組織特異的なTregの特性の一部を付与できた。さらに、T細胞が疾患進行に関与しているとされるパーキンソン病モデルにおいて、iB-Tregは脾臓Tregよりも脳内に浸潤しやすく、病的症状をより効果的に改善することが確認された。これらのデータは、iB-Tregが脳Tregの発生に関する理解に貢献し、炎症性脳疾患の治療薬にもなり得ることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
制御性T細胞は免疫応答を抑制する細胞であり、様々な炎症性疾患の治療法となりうるが、全身性の免疫抑制のために感染症やがんの拡大などのリスクが高まることが問題として挙げられる。本研究では脳組織に特化したTregを作製することができるため他の組織への影響が少なく、副作用を抑えた治療法につながる。脳に限らず、他の組織の支持細胞や誘導因子と共培養することで、様々な組織特異的なTregの誘導に応用できる可能性がある。
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