研究課題/領域番号 |
21K19394
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
中井 亮佑 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90637802)
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研究分担者 |
横田 一道 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (50633179)
山本 京祐 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (70636472)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 微生物 / 細菌 / デバイス / 検出 / 定量 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、常識的でないほどに小さな細胞サイズをもつ超微小細菌の実体を捉えるための技術開発に挑戦する。独自のナノ・マイクロスケールの細孔ポアを有するデバイス(ポアデバイス)を作製し、申請者らが保有する超微小細菌ライブラリを用いて分析条件の検討と最適化を行う。そして微小細胞がポアを通過する際に生じるイオン電流値の変化にもとづき、生化学的な標識に依らず、標的細胞をサイズごとに検出・定量する系を創出する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、ポアデバイスを用いた超微小細菌株の実測を行った。昨年度までに、当該デバイス試験に供する超微小細菌株の増殖特性、細胞サイズ、および細胞生存率等を特徴付けた。本研究では、生存様式の異なる3タイプの超微小細菌の検出に挑戦する計画であったが(タイプA:培地・培養条件に依らず細胞が常に小さい細菌、タイプB:培養条件に応じて細胞が矮小化する細菌、タイプC:形態変化を伴う多型性の細菌)、新型コロナウイルス感染症等に伴う対応によって実験計画を再検討し、まずはタイプAの超微小細菌の計測試験を優先した。タイプAの菌株2種(Aurantimicrobium属菌、Polynucleobacter属菌)を用いて計測した結果として、Aurantimicrobium属菌では電流値が安定して複数のピークが検出された一方で、Polynucleobacter属菌では大きなピーク1つのみでその後は明瞭なデータを得られなかった。この原因としては、細胞の凝集によって粒子サイズが大きくなりポアが詰まりやすくなっていた可能性が高い。初年度の予備試験で考察した通り、凝集しやすい細菌種の計測を改善するためには、界面活性剤の添加によって細胞同士の吸着を抑制する必要がある。今回の実測データをもとに、今後の実験で使用するデバイスのポア径を再検討するとともに、界面活性剤の種類、他に優先して測定すべき試料について議論を重ねて、次年度の研究に必要となる試薬・消耗品類を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までにポアデバイスを用いた超微小細菌株の実測に着手できたものの、新型コロナウイルス感染症等に伴う各種対応により、生存様式の異なる全ての超微小細菌株の測定が困難となったため、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究として、まずは細胞が常に小さい超微小細菌株(タイプA)を優先にして、本技術の検出・定量プロトコールの基盤を確立する。また並行して、これまでの研究推進で得たデータをもとに、国際誌への投稿論文を準備する計画である。
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