研究課題/領域番号 |
21K19396
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
近藤 亨 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (30270573)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | GBM / 正常化 / 治療 / 組織再建 / 神経膠芽腫 / 神経分化 / 神経膠芽腫(GBM) / GBM幹細胞 / 正常組織化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、「脳腫瘍細胞から機能的な神経系細胞を分化誘導する方法」と「腫瘍形成能を有するGICの除去」を組み合わせた“GBM丸ごと組織正常化”のストラテジーの確立を目指した研究を遂行する。このために、「GIC移植マウス脳腫瘍モデルを用いてGICから神経系細胞分化を効率よく誘導する化合物の決定」と「GBMから脳組織・機能再建を誘導する化合物とGIC除去薬の濃度・使用期間・投与方法の至適条件の決定」を試みる。
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研究成果の概要 |
グリオブラストーマ幹細胞(GIC)を効率的に神経細胞とオリゴデンドロサイトに分化誘導する化合物を決定した。これら候補化合物の毒性試験を行い、投与方法と投与濃度を決定した。同時に、GICを傷害するDHODH阻害剤の投与方法を決定すると共に、本阻害剤の脳腫瘍に対する抗腫瘍効果を確認した。GICを脳移植した担癌マウスに分化誘導化合物とDHODH阻害剤を逐次的に投与したところ、脳腫瘍内にGICから分化した機能的な神経細胞を検出すると共にGICの排除を確認した。これらの結果は、脳腫瘍を機能的な脳組織に再利用することが可能であることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GBMは、存在する組織の重要性から外科的切除が限られ、取り残した腫瘍細胞を傷害するために使用される化学放射療法に抵抗性を示すGICの存在により高確率で再発する難治癌であり有効な治療法の確立が望まれている。GBMに有効な治療法が開発されてきているが広範囲に癌で侵食された脳の機能を回復させる治療法は開発されていない。本研究の成果は、脳腫瘍そのものを機能的な神経系細胞に分化誘導すると共に未分化GICを排除することにより担癌脳を正常化するものであり、罹患患者への恩恵は多大である。更に、本研究成果は様々な他癌種に対しても適用可能であることから、癌研究分野での波及効果は非常に大きいと考えられる。
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