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長鎖シークエンス法の転写産物解析による非コード領域の発癌への寄与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K19400
研究種目

挑戦的研究(萌芽)

配分区分基金
審査区分 中区分50:腫瘍学およびその関連分野
研究機関東京大学

研究代表者

藤本 明洋  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (30525853)

研究期間 (年度) 2021-07-09 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード転写産物 / ロングリード / ドメイン構造 / 長鎖シークエンス / 非コード領域
研究開始時の研究の概要

申請者のチームでは、発癌のメカニズム解明を目的として長鎖シークエンス技術を用いた転写産物解析を行っている(申請者が代表の基盤(B)とAMEDの研究で実施)。現在までに、Oxford Nanoporeシークエンサーを用いた転写産物(cDNA)シークエンス法を確立し、解析ソフトウエアを開発した(Kiyose et al. (投稿中))。この解析において、コード領域の転写産物に加えて、非コード領域の転写産物も同定された。本研究では、複数の腫瘍を対象とし、長鎖シークエンス法を用いた癌と非癌部の転写産物の全長解析から、非コード領域に存在する新規タンパク質コード遺伝子候補を同定し機能を解明することを目的とする。

研究実績の概要

本研究では、複数の腫瘍を対象とし、長鎖シークエンス法を用いた癌と非癌部の転写産物の全長解析から、非コード領域に存在する新規タンパク質コード遺伝子候補を同定し機能を解明することを目的とする。申請者のチームでは、ロングリードシークエンサーを用いて複数の腫瘍の転写産物全長解析をおこなっている。
これにより、癌部で発現量が上昇している転写産物を複数同定した。さらに詳細な解析を目的とし、転写産物のアミノ酸配列を正確に予測するために、エラーの多いロングリードデータをアセンブルして、精度の高い配列を再構築する手法を開発している。また、アミノ酸配列からタンパク質のドメイン構造を予測するプログラムを自動化とin houseのプログラムを組み合わせて、発現差がある転写産物に存在するドメインを抽出するプログラムを開発した。さらに、アミノ酸配列から細胞内局在の予測を行うプログラムを用いて、同一遺伝子の転写産物間の細胞内局在の違いが生じるアイソフォームを推定するパイプラインを開発した。これらの解析から、重要な転写産物を同定し機能解析を行う予定である。また、機能解析実験も行なっておりがん組織で過剰発現している転写産物を細胞株で発現させ、細胞増殖を促進する転写産物を見出している。これらについて、さらに詳細な解析を行うとともに、新しい候補についても実験を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

肝癌細胞と正常細胞で発現量に差があるアイソフォームについて、発現量の差とコードされるタンパク質の構造に着目した解析を行った。その結果、遺伝子単位では発現量に有意差はないが、アイソフォーム単位では有意差の存在する遺伝子が存在した。さらに、検出されたアイソフォームのうち、タンパク質をコードすると見做せるものを網羅的に翻訳してモチーフ検索を行ったところ、遺伝子内の複数のアイソフォームにおいて、肝癌で発現量が変化してるアイソフォームに共通するモチーフが発見された。この結果に基づいてドライバー遺伝子候補を選択し、細胞株で強制発現とノックダウン実験を行ったが、遺伝子導入効率が想定よりも悪かった。現在、実験のプロトコルを見直し、最適な条件を確立できつつあるが、予想よりも遅れている。

今後の研究の推進方策

現在、細胞株で強制発現とノックダウン実験のプロトコルを見直し、最適な条件を確立できつつある。ドライバー遺伝子の機能解析を行う予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Long-read sequencing reveals the complex structure of extra dic(21;21) chromosome and its biological effects2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshida-Tanaka Kugui、Ikemoto Ko、Kuribayashi Ryoji、Unoki Motoko、Takano Takako、Fujimoto Akihiro
    • 雑誌名

      Human Genetics

      巻: 142 号: 9 ページ: 1375-1384

    • DOI

      10.1007/s00439-023-02583-9

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Localized assembly for long reads enables genome-wide analysis of repetitive regions at single-base resolution in human genomes2023

    • 著者名/発表者名
      Ko Ikemoto , Hinano Fujimoto , Akihiro Fujimoto
    • 雑誌名

      Hum Genomics

      巻: 9 号: 1 ページ: 21-21

    • DOI

      10.1186/s40246-023-00467-7

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Whole genome sequencing with long-reads reveals complex structure and origin of structural variation in human genetic variations and somatic mutations in cancer.2021

    • 著者名/発表者名
      Fujimoto A, Wong JH, Yoshii Y, Akiyama S, Tanaka A, Yagi H, Shigemizu D, Nakagawa H, Mizokami M, and Shimada M.
    • 雑誌名

      Genome Medicine

      巻: 13 号: 1 ページ: 65-65

    • DOI

      10.1186/s13073-021-00883-1

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Characterization of intermediate-sized insertions using whole-genome sequencing data and analysis of their functional impact on gene expression2021

    • 著者名/発表者名
      Ashouri Saeideh、Wong Jing Hao、Nakagawa Hidewaki、Shimada Mihoko、Tokunaga Katsushi、Fujimoto Akihiro
    • 雑誌名

      Human Genetics

      巻: 140 号: 8 ページ: 1201-1216

    • DOI

      10.1007/s00439-021-02291-2

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 長鎖シークエンス技術を用いたゲノム、トランスクリプトーム解析2022

    • 著者名/発表者名
      藤本明洋
    • 学会等名
      日本人類遺伝学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Whole genome and transcriptome sequencing of human cancer using long-read sequencing technology2022

    • 著者名/発表者名
      藤本明洋
    • 学会等名
      4th International Conference on Vocational Innovation and Applied Science
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] ポストGWAS時代の遺伝統計学 長鎖シークエンス技術を用いたヒトゲノム解析2023

    • 著者名/発表者名
      藤本明洋、池本 滉
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      羊土社
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-07-13   更新日: 2024-12-25  

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