研究課題/領域番号 |
21K19417
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分50:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
永野 修 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (30404346)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | SMARCA4 / フェロトーシス / CASP8 / p62 / 肺癌 / 細胞死 / 小細胞肺癌 |
研究開始時の研究の概要 |
SMARCA4のノックアウト細胞は、フェロトーシス抵抗性に関わる元素であるセレンの代謝変化が生じることでフェロトーシス感受性となり、酸化的細胞障害によって生じる細胞死のベクトルがアポトーシスからフェロトーシスへ変化することが分かった。そこで本研究は、アポトーシスとフェロトーシスの相互排他的関係性を解明し、予後不良なSMARCA4変異がんのフェロトーシス脆弱性を標的とした治療法の開発を目指す。とくに、それぞれの細胞死に対するがん細胞の感受性がSMARCA4を軸に「トレードオフ」の関係になっていることに着目し、その間にある分子機構を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
フェロトーシスとアポトーシスの調節機構の解明とSMARCA4変異がん細胞のフェロトーシス脆弱性を標的とした新規治療法の開発を目的としてSMARCA4安定発現細胞株を樹立して網羅的オープンクロマチン領域解析を行い、得られた遺伝子群のうちフェロトーシス抵抗性細胞に高発現する遺伝子のみを公共データベースから抽出し、新規フェロトーシス抵抗性候補遺伝子SMYD3、LTBR、PFKPを同定した。また、CASP8遺伝子の発現ステータスが、がん細胞の抗酸化シグナルの活性化を促進するp62/SQSTM1タンパク質の安定性を制御しており、有望なフェロトーシス感受性マーカーとなりえることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞死に対する抵抗性を促進する分子メカニズムの理解は効果的ながん治療を開発するにあたり、非常に重要である。本研究によるフェロトーシス誘導治療法の開発は、SMARCA4変異がんの臓器横断的な治療法として臨床応用に発展するインパクトを持ち、治療抵抗性がんの特徴でもあるアポトーシス抵抗性に対抗する治療戦略にとしての新たな一手となることが期待される。SMARCA4変異症例の不良な予後はアポトーシス抵抗性によることが考えられるが、本研究によるフェロトーシス誘導治療法の開発は、SMARCA4変異がんの革新的治療法として臨床応用に発展するインパクトを持つことが期待される。
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