研究課題/領域番号 |
21K19428
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
雨森 賢一 京都大学, 高等研究院, 特定拠点准教授 (70344471)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 神経生理学 / マカクザル / 不安障害 / 大脳基底核 / 線条体 / 非侵襲刺激 / 磁気共鳴画像法 / 微小電気刺激法 / 前帯状皮質 / fMRI |
研究開始時の研究の概要 |
辺縁皮質を対象とした深部脳刺激術(DBS)による神経応答の作用機序を明らかにするため、深部脳刺激術の神経応答を機能MRI 法によって全脳で計測する。将来的に、ヒトのうつ病、強迫性障害の治療という臨床応用につなげるためには、外科手術を必要とする現在の DBS ではなく、非侵襲で、脳の深部をターゲットとできる刺激法が望まれる。そこで、ヒトやマカクザルの脳に対する経頭蓋骨な脳刺激法として注目されている超音波を利用し、超音波刺激による DBS の実現を目指し、マカクザルの大脳辺縁系を対象として、新しい刺激法の開拓を行う。
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研究実績の概要 |
大脳辺縁系の局所回路をターゲットとした深部脳刺激法 (DBS) が、深刻なうつ病、強迫性障害などに用いられている。しかしこうした DBS の作用機序は明確ではなく、正式な治療法としての認可は下りていない。本研究では、そこでヒトと相同な辺縁皮質を持つマカクザルを対象として、微小電気刺激 (EM) 法によって不安生成に因果的にかかわる脳領域を同定する。さらに、DBS による神経応答の作用機序を明らかにするため、深部脳 EM の神経応答を機能MRI法によって全脳で計測することを目的とする。ヒトの一見非合理な行動の一つにリスク嫌悪がある。不確実性や将来にリスクがあるような状況に対しての振舞い方が個人ごと、状況ごとに大きく異なる。そのなかでもリスク回避的な振舞いは、過剰でなければ自らの身の保全のためにも有効である。不安障害など、一部の悲観的な意思決定をしてしまう人々は、未来が不確実であることを大きなリスクと過剰にとらえ、必要以上にリスク回避的な行動をとることがある。本研究では、微小電気刺激法により、脳の局所回路の活動を変化させ、リスク嫌悪に因果的に関わる脳領野を同定する。そして、同定した脳領野がどのようなネットワークを形成するかを明らかにするため、刺激効果を磁気共鳴機能画像法(fMRI)で可視化をおこなう。本年度は、マカクザルにBalloon analog risk task (BART)を訓練し、計算論モデルを導入することで、サルがリスクや予測のあいまいさに対する悲観的な価値判断を行っていることを、定量的に明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、マカクザルにBalloon analog risk task (BART)を訓練し、計算論モデルを導入することで、サルがリスクや予測のあいまいさに対する悲観的な価値判断を行っていることを、定量的に明らかにした。EM刺激の準備も順調で、研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、前部島皮質を対象としたEM刺激による、悲観的な意思決定の誘導などを行う予定である。
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