研究課題/領域番号 |
21K19431
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分51:ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
八木 健 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (10241241)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 脳幹網様体 / 巨大神経網様核細胞 / 意識 / 覚醒 / 光遺伝学 / シングルセル解析 / 神経回路 / グルタミン酸・GABA両作動性ニューロン / シングルセル / 遺伝子組み換えマウス / クラスター型プロトカドヘリン / 両作動性神経細胞 / マルチモーダル / 網様体 / ニューロン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、脳の統合的機能を制御する脳幹網様体の巨大神経網様核(NRG)細胞を分子生理学的に明らかにし、神経活動を光操作する方法を開発することにより、マルチモーダルな感覚入力や内的環境、運動制御、覚醒・睡眠を統合し、意識を支えるNRG細胞の分子神経生物学的基盤を明らかにすることにある。意識が脳幹網様体により支えられていることはかなり以前から知られているものの、これまでに分子神経生物学的アプローチがほとんど進められていなかった。本研究は、個体レベルでの意識を人工的に操作するこれまでに無い革新的技術の開発研究であり、意識を脳研究としてアプローチする為のブレイクスルーとなる意義ある研究である。
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研究成果の概要 |
本研究では、脳幹網様体に存在する巨大神経網様核(NRG)細胞を解析・操作する革新的技術の開発を行い、個体レベルでの意識や随意運動を制御するメカニズムについてアプローチした。その結果、脳幹網様体に存在する両グルタミン酸・GABA作動性NRG細胞の可視化に成功し、その分布を透明化した全脳において3D解析するとともに、シングルセルレベルでの遺伝子発現プロファイルと電気生理学的特徴の解析を行った。また、脳幹網様体NRG細胞の神経投射分布解析と光遺伝学を用いた個体レベルでの機能解析を行う実験的基盤を築くことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで覚醒・意識制御における重要性が報告されていながら、その詳細な分類や解析が行われていなかった脳幹網様体に存在する巨大神経網様核(NRG)細胞を解析・操作する技術の開発を行い、意識・覚醒経路の起点となる脳部位や神経細胞を明らかにする学術的意義をもつ。意識や覚醒など個体レベルで統合的に働く脳機能制御メカニズムへのアプローチとなるものであり、覚醒・意識・随意運動形成機序の解明につながることだけでなく、ヒトの植物状態患者の蘇生法開発や精神神経疾患・運動制御疾患に対するこれまでにない新しい基盤となり、生命科学・医学の分野のみならず社会的意義の高い研究分野に発展することが期待できる。
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