研究課題/領域番号 |
21K19435
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
堂浦 克美 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00263012)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | プリオン / アルカリフォスファターゼ / 細胞内分解系 |
研究開始時の研究の概要 |
異常蛋白質凝集体の代表である「プリオン」を用いて検討したところ、細胞内の異常蛋白質排除に関わる新たな蛋白質分解系の存在を強く示唆する結果を得た。本研究では、手掛かりとなるアルカリフォスファターゼを中心に、「新たな蛋白質分解系」に関わる要素群を抽出し、これまで知られていなかった難分解性蛋白質凝集体の細胞内分解系の新原理を究明する。研究では、難分解性プリオン株22Lと持続感染可能細胞N2a#58の3群のサブクローン(持続感染成立細胞、感染消失細胞、非感染細胞)を用いて、アルカリフォスファターゼ関与の妥当性の検証に関わる実験と関連要素の探索に関わる実験を行う。
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研究成果の概要 |
アルカリフォスファターゼは、プリオンのような難分解性蛋白質凝集体に対する新たな細胞内分解系の原理の究明につながる手掛かりであると考えた。しかし、この2年間の研究成果としては、プリオン持続感染細胞においてアルカリフォスファターゼがプリオン量に影響を与えることは確認できたが、その機序解明につながる手掛かりは得られなかった。また、アルカリフォスファターゼが働く細胞局所のアルカリ性環境がプリオンの分解排除に関わるとの仮説をたてていたが、仮説の正否を判断できないままであり、今後さらなる検討が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
難分解性蛋白質凝集体が細胞内でどのように分解・代謝されているのか、その基本原理は不明であり、既知の分解系だけでは説明できない。新たな基本原理の究明は、難分解性蛋白質凝集体が細胞や組織中に蓄積する様々な疾患に対して、新たな治療開発の糸口を与えてくれる可能性がある。難分解性蛋白質凝集体の代表であるプリオンにおいて、アルカリフォスファターゼとの関係に光をあてた本研究は、この新たな基本原理の究明に結びつく可能性を残し、アルカリフォスファターゼの新たな機能解明につながることが期待される。
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