研究課題/領域番号 |
21K19436
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 洋子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80332500)
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研究分担者 |
新堀 哲也 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40436134)
阿部 太紀 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40810594)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リンパ管発生 / リンパ管内皮 / がん遺伝子 / リンパ管異形成 / リンパ管 / RASがん原遺伝子 / がん原遺伝子 / 変異 |
研究開始時の研究の概要 |
RASがん遺伝子の生殖細胞系列の変異は先天性疾患RASopathiesを引き起こす。さらにリンパ管増生を伴う疾患であるリンパ管腫腫症やGorham病においてNRAS, KRASの低頻度活性化変異が同定されてきた。本研究では、RAS変異を持つモデルマウス胎児と心臓、皮膚、脾臓におけるリンパ管形成異常の有無を横断的に解析し、異なるがん原遺伝子によるリンパ管形成ネットワークへの関与を明らかにすることを目的とする
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研究成果の概要 |
ヌーナン症候群類縁疾患は心疾患・精神遅滞などを示す先天性疾患である。ヌーナン症候群は胎児期の浮腫、出生後も頸部浮腫などリンパ管異形成を合併するがRASがん遺伝子変異のリンパ管発生における機能はいまだ明らかではない。本研究では、リンパ管内皮特異的にRASがん遺伝子を発現するモデルマウスと、Noonan症候群モデルマウスにおけるリンパ管形成異常について検討を行った。胎児期のRAS遺伝子変異発現によりリンパ管増生や拡張が観察されたが血管系の異常は同定されず、リンパ管特異性がみられた。RASがん遺伝子の活性化にて胎児期にリンパ管発生の異常をきたすことが明らかになり成果を論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近somatic RASopathiesとしてリンパ管腫症などの組織においてもRASの変異が同定されてきた。本研究ではリンパ管腫症の原因であるNRAS変異をリンパ管内皮細胞特異的に発現させたマウスと、ヌーナン症候群モデルマウスにおいて検討を行い、どちらも胎児期にリンパ管異形成が起こることを明らかにした。出生後における病態は今後の検討課題であるが、リンパ管発生の新しい分子機構を明らかにすることは、リンパ管疾患の新しい発症機序解明に貢献すると考えられる。最近はヌーナン症候群やリンパ管異常に対してパスウェイ阻害剤を投与する症例報告も海外から出ており今後の治療法検討に役に立つと考えられる。
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