研究課題/領域番号 |
21K19437
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
横手 幸太郎 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20312944)
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研究分担者 |
越坂 理也 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30466700)
前澤 善朗 千葉大学, 大学院医学研究院, 講師 (80436443)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 早老症 / ウェルナー症候群 / NAD前駆体 / Nicotinamide riboside / 悪性腫瘍 / 動脈硬化性疾患 / 難治性皮膚潰瘍 / サルコペニア / ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド / 老化抑制 / 臨床試験 |
研究開始時の研究の概要 |
ウェルナー症候群は思春期以降に発症し、悪性腫瘍や動脈硬化性疾患を発症しやすい遺伝的早老症であり、老化のモデル疾患であるとされている。根本治療法は未確立のため、難治性皮膚潰瘍、 サルコペニアなどにより、QOLが低下する。本疾患患者を対象に、抗老化物質 ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD)の前駆体を用いた臨床試験を行い、老化抑制効果を明らかにする。健康長寿の実現と加齢関連疾患の制御が喫緊の課題であり、その病態解明は重要な意義を持つ。その機序を分子レベルで解明することを通じ、NADが関連する老化機構を解明し、一般の加齢関連疾患の治療法開発につながる知見を得る。
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研究実績の概要 |
わが国に多いウェルナー症候群(WS)は思春期以降に発症し、悪性腫瘍や動脈硬化性疾患を発症しやすい遺伝的早老症である。希少疾患であり、老化のモデル疾患であるとされている。根本治療法は未確立のため、難治性皮膚潰瘍により感染や下肢切断を高率に併発し、サルコペニアなども必発であり、QOLが低下する。 WS患者を対象に、抗老化物質 Nicotinamide adenine dinucleotide (NAD)の前駆体を投与する臨床試験を行い、老化の抑制効果と機序を明らかにする。超高齢社会を迎えたわが国において、健康長寿の実現と加齢関連疾患の制御が喫緊の課題であり、その病態解明は重要な意義を持つと考えられる。その機序を分子レベルで解明することを通じて、NADが関連する老化機構を解明し、一般の加齢関連疾患の治療法開発につながる知見を得るという意義がある。 今年度は、臨床研究パートとして、WS患者に対するNAD前駆体の投与の臨床試験を実施した。老化モデル疾患であるWSを対象に、抗老化物質NAD前駆体Nicotinamide riboside (NR)をプラセボ対照とした二重盲検ランダム化試験を行い、NAD前駆体補充療法の有効性を検討している。 実薬ないしプラセボ投与開始後26週でクロスオーバーし52週時に評価項目として、皮膚潰瘍の大きさ、サルコペニア、WSの徴候、糖脂質代謝、リポ蛋白粒子プロファイル、内臓脂肪面積、インスリン抵抗性、脂肪肝、動脈硬化、炎症反応、尿蛋白や腎機能を評価し、試験薬投与前後の変化を実薬とプラセボとで比較検討を行う。 「ウェルナー症候群に対するニコチンアミド リボシドの安全性・有効性を検証するための前向き、単施設試験」、通称EMPOWER試験は、特定臨床研究審査委員会で承認を得た後、11例のWS患者から試験参加同意を得て、10例が試験に参加し、これまでに1名が試験を終了した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の影響で、当初、症例リクルートに難渋したが、予定していた症例の登録は終了し、臨床試験が順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度の秋には、臨床研究パートの症例の試験期間が終了し、試験結果の解析を行えると共に、臨床試験で得られた検体を元に基礎研究パートの研究を進展させていく。 臨床研究パートは、早ければ令和4年度中に、論文や学会などで結果の公表を目指す。
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