研究課題/領域番号 |
21K19443
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
勝野 雅央 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50402566)
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研究分担者 |
井口 洋平 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80790659)
横井 聡 名古屋大学, 医学系研究科, 特任助教 (30815460)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | α-シヌクレイン / パーキンソン病 / レビー小体型認知症 / 幻視 / 神経活動 / レビー小体病型認知症 / 神経回路 / 嗅球 / 視覚野 / シヌクレイン / カルシウムイメージング / トランスオミックス / シナプス / コホート |
研究開始時の研究の概要 |
レビー小体病におけるα-シヌクレインの凝集に依存しない後頭葉ニューロンの変性病態を解明するため、AAVベクターで変異αシヌクレインを導入したマウスモデルに広視野蛍光顕微鏡を用いた長時間広域Caイメージングを行い、一次視覚野・高次視覚野における神経回路活動の変化を明らかにする。またマウス脳組織をサンプリングし、RNAseq、miRNAアレイ、メタボロミクスを行い、トランスオミックスによりシナプス障害をもたらす分子機構を解明する。得られたデータを、レビー小体病患者・ハイリスク者コホートで行っている血中神経由来エクソソーム中miRNA解析とも比較検討し、ヒトの超早期病階の解明につなげる。
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研究成果の概要 |
シヌクレイノパチーモデルマウスを作製し、視覚認知障害の病態メカニズム解析を行った。右嗅球へα-シヌクレインを投与後3か月経過時において投与群でshallow sideでの滞在時間が延長した。一方で黒質へα-シヌクレインを投与したマウスにおいては投与後1か月および3か月経過時ともに行動解析で異常は生じなかった。シヌクレインが発現している外側嗅内野で、対側に比較してc-fos陽性細胞の比率が増加し、神経活動が変化している可能性が示唆された。また視覚野ではshallow layer、deep layerともに投与側でc-fos陽性細胞の比率が増加し、神経活動が変化している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
嗅内野や嗅周野は嗅覚・聴覚・視覚・体性感覚などが高次感覚連合野で処理される際の経路にあり、海馬との結合も強くエピソード記憶の形成にも重要な部位である。また視覚野は視覚情報を真っ先に処理する部位でもある。今回の研究結果から、シヌクレインが嗅内野・嗅周野まで広がることで視覚野や嗅内野の神経活動に変化が生じ、視覚情報処理そのものに問題が生じる、あるいは視覚情報の伝達に問題が生じることで高次感覚野での視覚情報認知に障害を起こしたのではないかと考えられる。
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