研究課題/領域番号 |
21K19453
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
畠山 淳 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (90404350)
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研究分担者 |
土屋 英明 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 技術専門職員 (10378440)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | 脳発生 / グリア細胞 / 白質 / 早産児 / 低出生体重児 / 霊長類 / 脳脊髄液 |
研究開始時の研究の概要 |
日本の出産における早産児の割合は約6%、低出生体重児は約10%も占め、将来的に発達障害の発症リスクが高い。本研究では、早産児、低出生体重児の脳発達の予後改善を目指し、霊長類の脳発達の研究基盤創出とその分子制御機構の解明を目的とする。カニクイザル胚を用いて、妊娠中期・後期の脳発達の現象理解とその発達を制御する因子の同定に挑む。また、カニクイザル早産児モデルの作出を試み、早産児の脳発達障害リスクを軽減する可能性のある因子を同定し、将来、臨床応用できる成果を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、早産児、低出生体重児の脳発達の予後改善を目指し、霊長類の脳発生研究の基盤創出と分子レベルの理解に取り組んだ。 早産が起こる時期に相当する時期の正常脳発生過程を理解するために、カニクイザル妊娠中期・後期の脳の組織学的解析とMRI画像立体解析より霊長類脳発生のアトラスを作製した。次に、ヒトを含む霊長類の妊娠中期・後期の脳発生特徴であるグリア細胞の増大に着目し、グリア細胞増産に関与する候補因子を複数見つけた。そのうちの1つは、グリア細胞の増大に寄与できることを示した。また、早産児において減少してしまう脳発生に必要な因子を探索するため、産科・小児科との研究体制を整えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
霊長類の脳発生研究は、まだ学問として発展途上である。霊長類胚の試料は希少かつ高額で研究対象とするにはハードルが高く研究推進の壁となっている。本研究で得られたカニクイザル胚の脳発生過程の基礎データは近いうちに公のデータベース化することを目指しており、霊長類研究の推進に大きく寄与できる。また、グリア細胞の増大に関わる分子メカニズムを一部を明らかにしつつあり、ニューロンに比べて理解が遅れているグリア細胞の視点から霊長類の脳発生の理解が進むことも学問的に重要である。さらに、臨床との研究体制も整えており、脳発生の基礎研究が新生児医学に応用される架け橋となる研究と位置付けられる。
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