研究課題/領域番号 |
21K19455
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
岩田 洋 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00451807)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 動脈硬化 / 心房細動 / 大動脈弁狭窄症 / 組織リモデリング / 加齢 / 炎症 / 予後 / 冠動脈疾患 / CHIP / micro RNA / non-coding RNA / 老化 / 治療標的 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画は、これまで独立した疾患と考えられてきた動脈硬化・心房細動・大動脈弁狭窄症の病態メカニズムを包括的に捉え、横断的なメカニズムの中核を「加齢・老化」による「組織リモデリング」とし、そのメカニズムに介入するための「新たな治療標的の発見」を目的に遂行する。
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研究実績の概要 |
本研究ではこれまで、臨床的には別個の疾患と考えられていた心血管疾患、動脈硬化・不整脈・弁膜症の3疾患が、共通のリスク因子を持つことに着目、その3疾患を”加齢に伴う心血管リモデリングによる症候群”と定義し、共通する病態メカニズムを解明するため、冠動脈インターベンション(動脈硬化)、心房細動カテーテルアブレーション(不整脈)、経カテーテル的大動脈弁置換術(弁膜症)を施行された症例から血清・血球を採取し、さまざまな解析を行って、その進展と予後との関連を検討する。血清の加齢関連因子として、血清中のテロメラーゼ活性とp53レベル、さらに血球成分DNAにおけるテロメア長を定量化する。さらに血球中のDNAにおける骨髄細胞における後天的な体細胞遺伝子変異: Clonal Hematopoiesis of Indeterminate Potential (CHIP)の有無を検討し、さらに血清中のエクソソームを単離、そこに含まれるmicro RNAやnon-coding RNAをスクリーニングして、特に炎症に関連するmiRNA/ncRNAの中から3疾患に共通して認められるものを選び出し、その発現を定量化し、心血管死亡への影響を検討することで、炎症・加齢という3疾患共通のメカニズムが、具体的にいかに疾患の進展や予後に関連しているかを検討することが可能となる。特に、remote organ crosstalkに重要な働きをしていると考えられるエクソソーム解析を行うことで、心血管疾患の進行と腎機能低下など臓器連関についても検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度の倫理委員会による承認以降、冠動脈インターベンション(PCI)、心房細動アブレーション、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)施行時採血から血球・血清を採取し、保存している。令和3年度、令和4年度はそれぞれPCIは年間300症例、心房細動アブレーションは200症例、TAVIは100症例の血清・血球を保存している。血球(単核球分画)からのゲノム抽出し、CHIPの有無を評価、miRNA/ncRNAの単離とその発現、テロメラーゼ活性とp53レベルなどの方法を確立した。ただし、COVID-19パンデミックの影響による、人的資源の制限があり当初予定されていた計画からは、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、これまでに蓄積した症例のうち、経過中に心血管疾患により死亡した症例と生存した症例の背景をpropensity score matchingで揃えたペア症例をそれぞれの疾患で10組ずつ、60症例を抽出してCHIPの有無を評価、エクソソームmiRNA/ncRNA発現、テロメラーゼ活性とp53レベルを定量化し、死亡した症例と生存した症例の差を検討する予定である。それによりそれぞれの疾患の進行について、共通の病態を検討することが可能となる。
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