研究課題/領域番号 |
21K19456
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
徳田 栄一 日本大学, 薬学部, 講師 (00757510)
|
研究分担者 |
原 誠 日本大学, 医学部, 准教授 (10817224)
中嶋 秀人 日本大学, 医学部, 教授 (20330095)
|
研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 筋萎縮性側索硬化症 / 血液診断 / 早期発見 / 異常型タンパク質 / シーディング / ホフマイスターイオン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) の早期発見を可能とする血液診断法の開発に挑戦する。異常型タンパク質が正常型タンパク質の構造異常を誘発する「シーディング現象」を利用し、ALSの罹患が疑われた時点で採取した「病初期」の血液に含まれる極微量な異常型タンパク質を増幅させる。ALS患者における増幅パターンとの比較を通じて、本法がALS診断法として妥当か判断する。本手法は、確定診断に年単位の時間を要する従来の手法と比較し、診断に迅速化をもたらし、ALSの早期発見・早期治療に貢献すると期待できる。
|
研究成果の概要 |
本研究は、神経難病ALSの早期発見に寄与できる血液診断法の開発に挑戦した。具体的には、異常型タンパク質が普遍的に持つシーディング反応を利用し、ALS血液中の極微量な異常型タンパク質を試験管内で増幅させる手法の開発を行った。ALS異常型タンパク質とヒト正常血清からALSモデル血液を調製し、特定のホフマイスターイオン存在下でシーディング実験を行うと、シーディング反応に感度増強と反応特異性を付与することができた。この実験条件では、0.1ピコmol/L濃度のALS異常型タンパク質であってもシードとして機能し増幅可能であった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
神経変性疾患の研究領域において、夾雑物質が豊富に含まれる血液中では、異常型タンパク質はシーディングを誘発できないと考えられており、当該分野では、脳脊髄液を対象にバイオマーカー探索が行われてきた。本研究では、既存のコンセンサスの打破に挑戦し、極微量な異常型タンパク質が血液の夾雑環境においても、シードとして機能できるアッセイ系の開発に成功した。本研究で開発したアッセイ系は、原理的には血中に存在する様々な異常型タンパク質のシード機能の評価にも適応できると考えられ、汎用性が高く、幅広い学術分野に波及効果のある手法と言える。
|