研究課題/領域番号 |
21K19460
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
古賀 浩平 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50768455)
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研究分担者 |
矢尾 育子 関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (60399681)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 情動 / 前帯状回 / 持続痛 / 不安 / シナプス可塑性 / 慢性疼痛 / 神経回路 |
研究開始時の研究の概要 |
1年目は、マウスの前帯状回に投射する主な脳領域である視床もしくは扁桃体に光感受性タンパク質であるChR2を組み込んだアデノ随伴ウイルスを局所投与する。投与2-3週間後に脳スライス標本を作製し、投射選択的なシナプス伝達と神経回路を明らかにする。2年目は、神経損傷モデルを作製し、1年目に明らかとなったシナプス伝達と神経回路に再編成が起こるかを神経損傷モデルの初期および後期で調べる。3年目は、これまでに明らかとなった神経回路を光遺伝学および化学遺伝学的手法で操作した時に負の情動行動が緩和できるかを調べる。
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研究成果の概要 |
持続痛が引き起こす不安やうつなどの負の情動は精神疾患の主症状であるが、持続痛による負の情動を形成するシナプス可塑性の投射選択性及び分子機構は未解明である。 本研究では、痛みの感覚入力と情動に関係する前帯状回に着目し、前帯状回に投射する視床と扁桃体に光感受性チャネル(ChR2)を組み込んだAAVをマウスにそれぞれ局所投与した後に脳スライス標本を作製した。そして、前帯状回の第II/III層の錐体細胞から記録を行い青色光を照射して投射選択的なシナプス伝達を解析した。さらに、視床ー前帯状回の投射を光遺伝学で頻回刺激した時の情動行動、特に不快行動と疼痛関連行動を調べた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
臨床において持続的な痛みによって不安やうつ症状を患う患者さんは多いが、原因となる脳内シナプス可塑性、神経回路、分子機構は未解明のままである。本研究では、痛みの感覚入力と負の情動に関係する前帯状回に着目し、前帯状回に投射する視床からのシナプス伝達が持続痛モデルマウスで活性化することが明らかとなった。また、視床ー前帯状回の投射を頻回刺激すると嫌悪行動を促進したことから、今後、この視床ー前帯状回に着目したシナプス可塑性の異常を改善する仕組みを明らかにすると痛みによる精神疾患の解明につながる。
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