研究課題/領域番号 |
21K19472
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 伸一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (20215792)
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研究分担者 |
吉崎 歩 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40530415)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 強皮症 / 自己免疫 / 自己抗体 / 自己抗原 / マウスモデル / 全身性強皮症 / プロテオーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではヒト完全長cDNAライブラリから作成される、高次構造が保たれたヒト蛋白質アレイを用いる。このアレイはヒト遺伝子の75%以上を網羅し、特殊な技術を用いてwet状態にしたもので高次構造が維持されている。さらに蛋白質搭載量はインビボ・プロテオームと比べて均一でありデータの精度が高いことも特徴である。本研究ではSSc患者血清300検体以上を検討する。新たな細胞外自己抗原が同定されれば、それを用いてマウスを免疫し症状が生じるかを検討することによって病原性を評価する。申請者は国内初の強皮症センターを設立し、1,000名以上のSSc患者が通院しているため血清サンプルは容易に集めることができる。
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研究成果の概要 |
全身性強皮症(SSc)は膠原病の一つであり、自己抗体の出現を大きな特徴とする。自己抗体は発症以前から存在し、また検出される自己抗体の種類は、病勢や予後と相関するため、自己抗体は病態において重要な役割を果たすと考えられている。しかしながら、自己抗原は細胞内に存在するため、直接自己抗体が病態に関与しているとは考えにくい。本研究では、独自の技術による高次構造を維持したヒト蛋白質アレイを用いて蛋白質をSSc患者血清で網羅的にスクリーニングしSScの自己抗体と交差反応する細胞外分子、すなわち真の自己抗原の同定に挑戦した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「SScは自己免疫疾患である」ということは教科書にも記載されていることであり、一般に広く信じられているドグマである。このように自己抗体の存在によって自己免疫疾患と位置づけられてきたSScであるが、SScの自己抗体研究者が考えているように自己抗体に病原性がないのであれば、「SScは自己免疫疾患ではない」ことになってしまう。これまでSScの自己抗体研究者にとって、「自分はSScの自己抗体を研究しているのであるが、その自己抗体には病原性がなく、SScも自己免疫疾患ではない」というジレンマが常につきまとい研究者を大いに悩ませてきた。本研究はこのジレンマの解消の一助となるものである。
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