研究課題/領域番号 |
21K19477
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
古川 哲史 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (80251552)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 心房細動 / マウスモデル / 心不全 / 薬物スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
心房細動は高齢者に多く、高頻度に脳梗塞を合併し、寝たきりの約20%の原因となる。また約1/3で心不全を合併し、高いmortality・morbidityを示す。2007年より超高齢社会(高齢者21%以上)に突入した我が国では、その対策が喫緊の課題である。ところが、非侵襲的治療としては、抗凝固薬による脳梗塞予防薬などがあるだけで、根本的な治療薬は存在しない。その理由として、ヒト心房細動を再現する小動物モデルが存在しないこと、有効なin vitroアッセイ系がないこと、の2つがあげられる。本計画では、世界初のヒト心房細動病態を再現するマウスモデルを用いて心房細動治療薬のスクリーニング系を構築する。
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研究成果の概要 |
RBM20はスプライシング制御因子であり、その機能喪失変異はタイチン(TTN)遺伝子を含む複数の標的遺伝子のスプライシング異常を介して拡張型心筋症(DCM)を生じるとされてきた。我々は、Rbm20S634Aマウスは、世界初のヒト類似の自然発症慢性心房細動を発症することを明らかにした。そこで、Rbm20S634Aマウスが心房細動を発症する分子メカニズムを検討から、細胞質のP-bodyにおけるRNA代謝障害が、ヒト類似の自然発症心房細動をもたらすことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
心房細動は、最も頻度の高い不整脈であり、年齢とともに指数関数的に発症頻度が増えること、高頻度に脳梗塞・心不全・認知症を合併する。心房細動を伴う脳梗塞は特に重症であり、我が国の寝たきりの約20%は心房細動にともなう脳梗塞であるという統計もあり、超高齢化社会を迎えた我が国ではその対策が喫緊の課題である。本プロジェクトでは、ヒト類似の心房細動のマウスモデルを世界で初めて作成したことから、社会的に意義がある。また、同モデルの解析から心房細動の新たな分子メカニズムを明らかにしたことが、学術的に意義がある点と考えられる。
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