研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では、今まで全く知られていなかった脱感作マスト細胞の一部がアレルギーを抑制する性質を持っているという新たな発見を基盤とした、アレルギー抑制型マスト細胞の誘導機序の解明と制御因子の探索・活用に挑む。本研究が結実することで、アレルギーを起こすマスト細胞を、アレルギーを抑える細胞へと転換するという革新的な治療戦略をたてることができ、新視点からのヒト疾患治療の架け橋となる可能性を有する。申請者がこれまで培ってきたマスト細胞を標的とした研究手法を結集させ、安全で効果の高い新規のアレルギー根治療法を目指し、現在のアレルギー疾患治療に新たな創薬起点の提言を目指す。
アレルギー免疫療法(減感作療法)はアレルギー疾患の有効な治療法である一方で、投与方法により発生率に違いはあるもののアナフィラキシーなどの重篤な副反応が発現し、治療が中止されることも少なくない。加えて、治療効果を調べるバイオマーカーも見出されておらず、治療効果も症状の発現の評価が主である。そのため、アレルギー免疫療法の治療機序の解明による治療過程における有効性と効果の持続性を示すバイオマーカーもしくは副反応の予測因子の同定が急務である。本研究では、マスト細胞の単細胞解析からアレルゲン刺激の強さや頻度により、複数の活性化経路のうちの1つがマスト細胞の脱感作状態の維持に重要であることが示された。
本研究では、アレルギーの根治を目指したアレルギー抑制型マスト細胞誘導機序の解明と活用を目指し、アレルギー治療につながるマスト細胞の単細胞解析データを得た。得られた結果から、新たなバイオマーカー・予測因子の候補が見出され、今後はアレルギー治療患者での解析を通じて効果的な脱感作のマーカーの同定からアレルギー疾患の治療への貢献を目指す。
すべて 2023 2022 2021
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (14件) (うち国際学会 5件、 招待講演 11件) 図書 (6件)
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