研究課題/領域番号 |
21K19503
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分54:生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
篁 俊成 金沢大学, 医学系, 教授 (00324111)
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研究期間 (年度) |
2021-07-09 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 脂肪肝炎 / 糖尿病 / NAFLD / NASH / 肝類洞内皮細胞 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 2型糖尿病 / SGLT2阻害薬 / 肝臓遺伝子発現 / 非アルコール性脂肪肝炎 / バイオマーカー / 肝生検 / マルチオミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、20年間に亘って蓄積した連続肝生検研究から、DiSH進展を予知するバイオマーカーとなるタンパク質とmRNA・miR・lncRを探索する。探索的で芽生え期の研究提案であるが、肝臓での発現と比較しながら、血清およびエクソソーム中のタンパク質とmRNA・miR・lncRを抽出できることが強みである。抽出された候補分子の中には、肝病理変化を予知するバイオマーカーに加えて、肝病理変化と関連して変動する病態制御因子が含まれることが期待される。これら分子の検証と機能解析は、NASH病態体系を転換し、診断、病理予知、治療を変革させる潜在性を有すると考えられ、次のステップで挑戦的研究 (開拓)に申請したい。
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研究成果の概要 |
本研究では、連続肝生検研究および糖尿病薬による介入研究から、NAFLDの肝線維化進展に高血糖が成因として寄与することを示した。既知のヒト肝臓の各細胞クラスターに特徴的な既知の遺伝子パスウェイへのエンリッチメントにより、単細胞RNAシークエンス様解析を行った。連続肝生検では、肝線維化進行に伴い、肝類洞内皮細胞(LSEC)に関与する遺伝子の発現が低下した。A1c上昇に伴い、中心静脈よりの肝細胞で低酸素・酸化ストレス応答遺伝子群の発現が亢進した。12ヶ月間のSGLT2阻害薬治療はLSEC遺伝子群の発現減弱を回復させた。メタボローム解析により、病理の変化を予知する血中のバイオマーカーを絞り込んでいる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非アルコール性脂肪肝炎 (NASH)は肝硬変と肝細胞癌の主要な原因疾患である。肝生検による組織学的評価が診断に必須だが、患者に負担のかかる侵襲が大きく、生検部位による不均一性が課題である。また病理学的予後予測法や治療も確立していない。本研究の最終目標は、肝生検をせずとも肝病理を診断・予知する医療の実現である。本研究で得られた、ヒトNAFLD病理学的進展と関連する細胞クラスターと遺伝子プロファイルから、NAFLD病態の鍵となる細胞クラスターとパスウェイの候補が得られた。これらの意義を、申請者等が樹立したマウス糖尿病脂肪肝炎モデルで検証することで、NAFLDに対する診断・治療標的を明らかにしたい。
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